サイバーセキュリティクラウドのニュース
【QAあり】サイバーセキュリティクラウド、通期は修正後連結業績予想を上回り着地 営業利益率は20%超と上場来最高を達成
業績の概況

小池敏弘氏:本日はお忙しい中、当社の2024年12月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。株式会社サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長兼CEOの小池です。2024年12月期通期の決算概要、トピックス及び成長戦略のアップデートについてご説明します。
業績の概況からご説明します。売上高は38億5,700万円、前年同期比プラス26パーセント、営業利益は7億7,300万円、前年同期比プラス40.7パーセントと、いずれも2024年11月に修正した業績予想を上回って着地しました。その結果、当期純利益は5億7,500万円となり、高成長であったと捉えています。後ほどご説明しますが初配当も実施します。
営業利益率についても、上場来最高となる20パーセントを超え、利益を確保しながら成長を続け、上場当初から掲げていた目標を順調にクリアできていると考えています。
ARRの推移

ARRの推移です。成長率は前年比でプラス24.6パーセントと、初めて40億円を超えました。特に、直近の2024年第4四半期の新規受注額が四半期ベースで過去最高となったことや、YoYという観点では、昨年の「WafCharm(ワフチャーム)」の既存のお客さまに対する価格改定、また新サービスである「CloudFastener(クラウドファスナー)」の新規の取引が大きく増加したことが、ARRの増加に影響しています。
攻撃遮断くんとWafCharmの解約率

解約率については、「攻撃遮断くん」「WafCharm」ともに低位安定して推移しています。引き続き維持できるように努めていきます。
売上高の推移

四半期売上高の推移です。当該四半期で初めて10億円を突破しました。また今回、当社としては初めて米ドルによる売上高を開示しています。2024年12月期の米ドル売上高は通期で約382万ドルを記録したことに加え、円安効果により全体の売上高の増加に貢献しています。
営業費用(売上原価・販売費及び一般管理費)の推移

営業費用です。この第4四半期においては人員が順調に増加したこと、また、非常に良い決算であったため決算賞与も一部支給したことにより、人件費が上昇しています。
また、人員の増加に合わせ働く環境を整備するべく、オフィスへの先行投資も実施しました。また昨年12月にアメリカのラスベガスで「AWS re:Invent 2024」という大きなAWSの展示会に2年連続で出展したことにより、広告宣伝費も増加しています。
サイバーセキュリティクラウドの成長を支える従業員

従業員の推移です。第4四半期に株式会社ジェネレーティブテクノロジーを「新設」とスライドにありますが、事業を譲り受け、新しく会社として立ち上げたことなどにより、人員数は前年同期比プラス26名と大きく増加しました。
また、今年の4月には新卒第2期生の入社も控えています。経験豊富な中途社員とともに、さらに飛躍していきたいと考えています。
株主還元方針の変更

冒頭にもお伝えした、株主還元の方針の変更をご説明します。当社は2020年に上場し、2021年に成長戦略となる中期経営計画を発表しました。
進行期である2025年が中期経営計画の最終年度となっており、当初はこの最終年度に財務目標を達成後に、応援してくださっている株主のみなさまに還元したいと考えていました。
引き続き成長を続け、さらに、そのための投資も続けていくと同時に、安定的に配当も行っていくべく、今回より配当を実施する運びとなりました。
もちろん今後もしっかり継続し、増配も目指したいと思っています。また株主還元という意味では、配当だけでなく自社株買いを含めたさまざまな選択肢も検討していきたいと思っています。
剰余金の配当(初配)実施と来期の配当予想

具体的には、2024年12月31日を基準日とし、当社の初配として3.0円で配当還元したいと思っています。進行期である2025年12月期においては、現在のところ5.0円に増配することを目指しています。
サービス開始から急成長を続けるCloudFastener

2024年12月期通期のトピックスをご紹介します。「サービス開始から急成長を続けるCloudFastener」ということで、スライドのグラフにもあるとおり、当社の主要プロダクトである「攻撃遮断くん」「WafCharm」それぞれのサービス開始から1年後までの成長の角度と比べ、非常に高成長を遂げています。
祖業であるWAFからクラウドセキュリティに領域を広げていきたいと数年前から構想しており、ようやくこの「CloudFastener」というサービスを提供し始めました。これは当社にとって新しい領域のサービスであり、「攻撃遮断くん」や「WafCharm」の既存のお客さまに対して「CloudFastener」を案内していました。
その結果、現在の「CloudFastener」のお客さまの多くが、すでに当社の製品を使っており、引き続き既存顧客からの引き合いが強い状態です。2025年はさらにさまざまなマーケティングを実施するなど、数多くの販売パートナーと連携しながらセールスを強化していきたいと考えています。
CloudFastenerにおいて大規模なデジタルマーケティング投資を実施

「CloudFastener」の大規模なデジタルマーケティングを、2025年2月より開始します。「セキュリティアラート沼にお困りなら。」がキャッチコピーです。
決裁にあたり経営陣の方と話す機会も多いのですが、当社の製品はなによりもお客さまの中で実際にセキュリティに関わっている方、あるいはその責任を持っている方に非常に喜ばれている製品です。我々が最もお話ししたい層にしっかりと届くように、このようなキャッチコピーをもって今月からマーケティングを実施します。
米国で新たなパートナーシップ締結及びCloudFastenerの第1号グローバルユーザーの獲得

グローバル展開についてです。「CloudFastener」において、初の販売パートナー契約をアメリカのCStream社と締結しました。彼らの持つ製品のケイパビリティと当社の「CloudFastener」を合わせてご提案した結果、同じくアメリカのIT企業であるFinMed社への導入が決定しました。
CStream社はアメリカのアーバインにあり、当社のアメリカ拠点であるロサンゼルスと非常に近い場所です。昨年アメリカで実施したカンファレンスでブースに立ち寄っていただいたのが出会いのきっかけです。元AWS社員によって設立され、エンドユーザーが米国のさまざまなコンプライアンスを安心して取得できるような支援サービスを提供しています。
今回のFinMed社も含め、エンドユーザーの方々はコンプライアンスのいろいろな認証に準拠しなければなりません。どのように準拠をするのか、何を行うかといったところを提供するのがこのCStream社です。これを実装するにあたり、「CloudFastener」を使っていただくという連携により導入が決定しました。
実際のロケーションも近いということもあり、この事例のみならず一緒にジョイントでセミナーを行うなど、相互集客も実際に始まっています。このような取り組みをきっかけとして、さらにアメリカにおいて顧客獲得を加速させたいと考えています。
ラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2024」に2年連続で出展

昨年12月にアメリカ、ラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2024」に2年連続で出展しました。「AWS re:Invent」というのは、AWS社が年に1度、1週間にわたり開催する、世界のテック系カンファレンスでも有数の規模を誇るカンファレンスです。当社はその中の展示ブースへ出展し、4日間、世界中のお客さまに来訪していただきました。
スライドの左のグラフで示したように、当社が2023年に初めてブースを出展した時と比べブースへの来訪者は2倍以上となりました。また、ブース外でもいろいろなお客さまと出会う仕掛けを作っており、その結果、非常に多くのリードを獲得することができました。
2023年と2024年で、この「AWS re:Invent」全体での来場者はさほど変わっていないという話を聞いています。その意味で、いろいろ作戦を練って出展した結果、初回よりもパフォーマンスを上げることができたと捉えています。
また2024年においては、そのブースに出展するスタッフだけでなく、日本から数名の技術者も同行しました。AWS GameDayという、技術者がその時々のお題を与えられ、それを解決し、そのパフォーマンスでランキングが出るイベントがあり、世界第2位という実績を残すことができました。私たちの技術力がしっかりと認知されたことを誇りに思っています。
海外イベントで獲得したWafCharmのグローバルユーザーが大口顧客に成長

2024年6月にアメリカのフィラデルフィアで開催されたセキュリティの展示会に出展し、そこで南米のとあるフィンテックのお客さまと出会ったお話です。主に当社のアメリカのチームがやり取りし、第3四半期より「WafCharm」の利用を開始していただきました。
ここは非常に大きな会社で、当初はアメリカのWAF領域における大手競合サービスを使っていましたが、当社の製品の品質やサポート体制が評価され、彼らの一部のシステムで「WafCharm」の導入を開始しました。
一部のシステムでの導入開始ではあるものの、この時点ですでに「WafCharm」全体の平均顧客単価の7倍近くの料金を支払っていただいていました。その後「WafCharm」を使いその価値を感じてくださり、現在、その他のすべてのシステムへの導入に向けて利用が拡大している状況で、第3四半期と比べてもお客さまの料金は倍増しています。
このシステムの運用を担っている同国内の大手MSP、セキュリティやシステムの運用を請け負う会社からも、「WafCharm」は非常に高い評価を得ています。こちらのMSPはフィンテックのお客さまだけでなく、同国内に他のさまざまなお客さまも持っており、一緒に販売を拡大するための戦略を協議しています。
これはアメリカの話ではありませんが、世界中にチャンスがあればどんどん広げていきたいと思わせてくれる、非常によい事例と捉えています。
株式会社DataSignの株式取得(100%子会社化)

M&Aのお話です。先日の決算発表と同じタイミングで株式会社DataSignの株式を100パーセント取得することを開示しました。DataSign社はプライバシーの領域に強みを持つ、SaaSのソリューションを提供している会社です。
あまり耳慣れないと思いますが、プライバシーの領域はWebサイトも実店舗も含め、日本のみならず世界中の企業の間で、お客さまの情報を取得する際にそのプライバシーの保護に努める、あるいは、違法もしくは黙って勝手にエンドユーザー、コンシューマーの方々の情報を使わないようガバナンスを効かせるという動きがあり、今後も強まっていきます。
これは当社のセキュリティと非常に親和性が高く、当社のサービスはお客さまのWebサイトを守るソリューションが多いわけですが、これはWebサイト利用者、あるいはサイト来訪者の情報を守っています。
当然、このWebサイトを提供している企業はその中に詰まっている情報を取得しており、データプライバシー保護という観点で透明性を持って扱うことが義務付けられています。したがって、セキュリティとプライバシーは表裏一体、非常に近しいところにあります。
今後、このデータプライバシー関連の法規制は引き続き強まっていくと予想されます。また、セキュリティとプライバシーを両輪で、同じグループで持つ会社は世界でも非常に少ないです。当社の強みを組み合わせ、唯一無二のサービスを提供していくべく、今回100パーセント子会社化することを決議しました。
もちろん技術的なところも親和性は高いですし、このDataSign社の太田社長は、プライバシーの領域においても非常に深い知見や実績をお持ちです。
反対に、プライバシーの側面から見るサイバーセキュリティのソリューションの改善などにも期待しつつ、両社一丸となって今後も事業展開を進めていきたいと考えています。
当社のM&A戦略

DataSign社の取得により、これまで累計で3件のM&Aを実施したことになります。
上場した2020年12月に株式会社ソフテックを買収し、その後、サイバーセキュリティクラウドに吸収合併しました。ソフテックが有していた「SIDfm」という製品、並びに脆弱性を診断するサービスを当社のラインナップに追加し、いずれも当社の売上に非常に貢献しています。
また、2024年10月には事業を譲り受け、ジェネレーティブテクノロジー社を子会社として新設しました。当社はクラウドセキュリティを提供していく際に、「実際にそれを構築するための人を出してほしい」、あるいは「このような新しいものを作りたいが開発するリソースがない」という声を多く聞いていました。
そのため、当社のブランドとして、受託のみならず、セキュリティ領域に強い開発会社を1つ加えることで、当社グループがクラウドセキュリティにおいて幅広くソリューションを展開していることをより強く示せると企図し実施しました。
まだ実際にグループ入りして数ヶ月ではありますが、非常に引き合いも多く、当初を超える事業成長を予感しています。非常によいM&Aという選択肢を打てたと思っています。
そして今回、DataSign社を取得しました。成果が実感されるのはこれからですが、こうして見ても、いずれのM&Aに関しても当社に対してポジティブな影響を与えてくれています。
クラウド×サイバーセキュリティという領域においては、今後も積極的にM&Aの検討を進めていきたいと思っています。
2025年末に向けた成長戦略の骨子

2025年までの成長戦略、及び2025年12月期の業績予想をご紹介します。成長戦略の骨子は、大きくは変えていません。ただし、「『Webセキュリティ』分野における国内トップセキュリティ企業へ」という目標について、当初は社数の目標を掲げていましたが、社数に大きくこだわるのではなく、取引先1社あたりの単価の向上を意識していきたいということで、目指す方向は大きく変わりませんが、一部文言を改定しています。
財務目標①売上高50億円の達成

財務目標として、まず「売上高50億円の達成」です。「WafCharm」「Managed Rules(マネージドルール)」「CloudFastener」を合算して海外売上高比率10パーセント超を目指しています。
財務目標②2025年の営業利益を10億円へ

次に「2025年の営業利益を10億円へ」です。言葉のとおり10億円を目指していくという目標ですが、実は2021年にこの目標を掲げた時は、まだ営業利益率が16パーセントから17パーセントくらいを推移していたところでした。
しかし今回、この50億円のうち10億円という目標と同じ、営業利益率20パーセントを2024年に達成することができました。まだ構造的に利益を上げていく施策を打てる状態ですが、投資と利益成長を両立させていきたいと考えています。
2025年の重点施策

これら目標を達成するために取り組むのが重点施策です。「大手顧客への価値提供強化」「AWS経済圏でのグローバル展開を強化」「サービスラインナップの増強」を掲げており、2025年も、2024年に実施したことから大きくは変えていません。少しチューニングしながら実施していく予定です。次のページ以降で、具体的にご説明します。
【重点施策①】大手顧客への価値提供強化

大手顧客への価値提供強化についてです。日本企業を取り巻くセキュリティの環境は、今日ご視聴いただいているみなさまも耳にされたことがあるかと思います。人材は不足し、技術的にも難しいことが増えており、可能な限り包括的に対応してほしいというニーズが非常に増えています。
一昨年より提供を開始した「CloudFastener」は、特にこのようなニーズにお応えができるサービスです。認知強化のためのマーケティングを行いつつ、私たちだけではなく、大手のお客さまにリーチできるやSIerやリセラーといった、さまざまな販売パートナーとのアライアンスを強化しアプローチできる数を増やしていきたいと思っています。
また、社内の営業体制も大きく強化を進めています。大手のお客さまに着実に認知していただけるような細やかな営業スタイルや、信頼していただけるような知識の習得について、トレーニングを含めて現在組織を増強しているところです。
【重点施策②】AWS経済圏でのグローバル展開を強化

AWS経済圏でのグローバル展開強化については、引き続き今年も取り組んでいきます。当社のサービスは、AWSを使っているお客さまにご利用いただけるサービスが非常に多いため、AWSコミュニティの中で認知と信頼が広まれば、自然と販売も増えていきます。
このような構図のため、認知を増やすためのマーケティング、あるいは信頼を得るためのさまざまな認定プログラムを取得することで、認知向上を図ります。さらに、オンラインストア「AWS Marketplace」の棚を活かすことで、世界中の人たちが買いやすい状態を作り続けることにより、AWS経済圏で成長していきたいと考えています。
【重点施策③】サービスラインナップの増強

サービスラインナップの増強についてです。一昨年、昨年と「CloudFastener」とAPI領域、開発領域で、矢継ぎ早にサービスラインナップを増やしてきました。こちらも2025年のみならず、今後もラインナップを増強していき、幅広いニーズに応えていきます。
2025年12月期通期業績予想

2025年12月期の通期の業績予想です。今年は中期経営計画の最終年度です。計画当社の財務目標である売上高50億円、営業利益10億円の達成を目指していきます。
すでにご説明したとおり、「CloudFastener」を市場に出して1年間で成長が加速しており、これからもさまざまな仕掛けを打っていきたいと思っています。計画の達成はもちろんのこと、着実に大きく成長していけるよう努めていきたいと考えています。
【中長期戦略】クラウド×サイバーセキュリティ領域に注力

中期経営計画の最終年のさらにその先は、どのようなところを目指していくのかについてご紹介します。
当社はAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなど、クラウドのプラットフォーム上で物を作ったり運用したりしています。このマーケットは巨大で、成長を続けている領域です。
クラウドを活用するお客さまにおける、サイバーセキュリティをしっかり担保するのは、かなり難しいことです。AWSをはじめとしたクラウドと、サイバーセキュリティの両方に精通している私たちは、それらの重なり合う部分で提供価値を広げていきたいと考えています。
スライドに記載のとおり、以前と比べて非常に多くの分野で価値を提供できるようになってきました。それぞれを強めていくのはもちろん、さらにお客さまにとって必要となる領域があれば、自社での開発やM&Aによる取得を問わず広げていき、重なり合う部分で大きく成長していきたいと考えています。
【中長期戦略】売上高成長イメージ

売上高の成長イメージです。スライドのグラフの一番下の層にある防御とは、もともと私たちが一貫して行ってきた部分です。これに加え、お客さまが日々セキュリティを運用・メンテナンスしていくという領域も大きく広げていきたいと考えています。さらに、脆弱性を管理したり、セキュアなシステムを開発したりといった領域も、さらに伸ばしていく考えです。
具体的には実績を重ねてきた人による販売に加え、プロジェクトを見てくれたお客さまに直接Webサイト上で契約まで至っていただくようにします。これは、特にグローバルでは世界中に等しくセールスパーソンを張るということはなかなか難しいためです。
その後の利用に関しても、プロダクトの中で完結していきます。このようなものも充実させたいと思っています。
また、私たちがこれまで築いたお客さまとの基盤として、お客さま同士も同じような悩みを抱えていたりするケースが非常に多く、そこのコミュニティをつなぐことでさらに当社の価値を高めていきたいです。
さらに、M&Aによる非連続な成長も遂げていきます。このようなことで、中長期的に大きく成長していきたいと考えています。
以上で、2024年12月期通期の決算説明を終了します。
質疑応答:「CloudFastener」の成長要因と今期の展望について
「『CloudFastener』は大きく成長しているようですが、その要因と今期についてはどのように考えていますか?」というご質問です。
「CloudFastener」は、私が期待するところにはいまだ到達していませんが、成長率という意味では大きく成長し始めていると考えています。その要因としてクラウド×サイバーセキュリティのニーズがあると見ています。ここをお客さまが自分たちでやるのは非常に難しいです。
例えばAWSで言うと、AWSというプラットフォームそのものがますます進化します。より良くなっているのですが、クラウド上でしっかりサイバーセキュリティを担保していこうとすると、AWS自体の進化にもしっかり追従していかなければなりません。もちろん、セキュリティの進化にもしっかり対応していかなければいけません。
そのため、オンプレ時代のように「作っていったん終わり」というものとはまた違ったスキルが求められます。そこに当社は非常にフォーカスをしています。もちろん私たちはクラウドプラットフォーム側の進化もしっかりと認識をして対応していますし、セキュリティも常に万全なものにしています。
「本当にこれを待っていたんだ」といったお声をお客さまからいただくケースが非常に多いです。成長要因という意味では、そのようなニーズをしっかり捉え、届けられているというところだと思っています。
今期については今申し上げたとおり、まだ大きなニーズがあると思っていますし、クラウド×セキュリティについて、私たちがさらに研ぐこと、尖っていくことにより、大きなビジネスチャンスがあるとみています。
セキュリティ×クラウドは得意でなくとも、お客さまにそれ以外のコンサルテーションや、オンプレを含めた価値を提供している販売パートナーは数多くいます。そのようなパートナーとの提携も含めて、さらに大きな成長を遂げていきたいと考えています。
質疑応答:営業キャッシュフローの見通しについて
「毎期、営業キャッシュフローは増えていますが、今後も増加の見込みですか? 可能であれば、具体的な数字の見通しを教えてください」というご質問です。
営業キャッシュフローの具体的な数字は、毎期開示をしていないため差し控えます。しかし、基本的に営業利益は増益すると見込んでいるため、今期を含めてプラスになっていく前提としています。
質疑応答:2025年12月期における「CloudFastener」のARR見通しについて
「2025年12月期の『CloudFastener』のARR見通しを教えてください」というご質問です。
ARR単体の見通しは開示していませんが、先ほどお伝えしたとおり、「CloudFastener」は非常に大きな成長を見込んでいます。このまま直線上に伸びていくというよりは、さらに大きなところを狙っていきたいと思っています。
現在、ARR及び売上高のポートフォリオという意味では、「攻撃遮断くん」が最も大きく、それに続いて「WafCharm」「Managed Rules」「SIDfm」という順番です。「CloudFastener」は、早期にこの主力のポートフォリオに並ぶようなところまで持っていき、それにとどまらないほど大きく成長させていきたいと考えていますので、ご期待いただけると思っています。
質疑応答:今期の営業利益率の見通しについて

「今期の予想について、30パーセント近い増収が見込まれる一方で、営業利益率はほぼ横ばいの見通しです。販促関連費用などの負担を考慮すると、一段の利益率向上は難しいのでしょうか?」というご質問です。
利益率については、2021年に初めて成長戦略を作った時に、当時の私たちのポテンシャルというか構造として、営業利益率が16パーセントから17パーセント程度を出す組織でした。その時に、2025年に向けて決めたことは、まず構造的に20パーセント出せるような体制を目指すことでした。
そのような意味で、利益率で比較すると横ばいになってしまいますが、営業利益率20パーセントを出せる体質を作るという意味では、オンスケジュールで進めていると思っています。その上で、さらに大きく利益を出せるかというと、ポテンシャルや体質を踏まえて、おそらく出せるという手応えがあります。
ただし、今後さらに大きく成長していくためには、進行期においても一定程度の投資を行っていきたいと考えています。現状の予想では、営業利益率は横ばいということになっています。
質疑応答:中長期戦略における売上高CAGRの見通しについて

「中長期戦略について、売上高のCAGRはどの程度を見込んでおられるのでしょうか?」というご質問です。
中長期戦略はまだ具体的な数字を公表していないため、申し上げにくいのですが、当社が上場した2020年から2025年までは最初の中期経営計画と位置づけ、継続的に稼げる体質を作ることと、大きく成長できる新しい柱を作っていくということがテーマでした。そのため、私としては堅実に成長してきたと考えています。
一方で、ここからの中長期戦略については、M&Aも含めこの広大なマーケットでしっかりと早く存在感を出していきたいと考えています。売上高のCAGRという具体的な数字は差し控えますが、これまでよりも大きく成長していきたいというイメージを持っています。
今期の決算時までのどこかで、次の戦略についてお話できるのではないかと思いますが、しっかりとご期待に応えられるよう、目標を持って走っていきます。
質疑応答:2026年以降の成長イメージについて
「2026年以降の成長イメージについて、これまでどおりのペースで利益成長を期待してよいのでしょうか? それとも大規模な投資等でいったんの踊り場もありうるのでしょうか?」というご質問です。
先ほども申し上げたとおり、しっかりと大きく成長していくことを目指しています。シチュエーションによっては、投資を大規模に行う可能性もあります。基本的には利益も確保しながら進めていきたいと考えています。
大規模な投資をする際には、増収であっても一時的に減益になる時があります。しかし、私自身の個人的な考え方として、その減益に納得いただける理由があること、あるいは、しっかりと成果に跳ね返るという蓋然性が非常に高いものであることが必要と強く感じています。
そのため、基本的なポリシーは増収増益ですが、仮に大規模な投資を行う場合は、さらなる成長への期待を込めた決意の表れと捉えていただければと思います。また、その際は、しっかりとご説明していくつもりです。
質疑応答:配当政策と今後の引き上げ見通しについて
「配当性向は少し低い比率になっています。今後の配当政策や引き上げの目処がありましたら教えてください」というご質問です。
今年は初配となり、ようやくわずかながら、株主のみなさまに還元できる体制になってきたところですが、同じ市場の企業と比較するといまだ低いと自覚しています。
教科書的には今後の成長等のバランスを考えながら決定したいところですが、配当を出したからには増配していきたいと思っています。また、配当性向についても他社と比べても遜色なく、持ち続けていることに価値を感じていただきたいと思っています。
検討しながらではありますが、配当政策の引き上げに向けて努めていきたいと考えています。
質疑応答:今後のM&Aについての考え方について

「今後のM&Aについての考え方は?」というご質問です。
中長期で成長していくために、M&Aは非常に重要だと考えています。これまで3件のM&Aを行い、その内の2件は評価できる成長をしていると思っています。「M&Aが上手い」は言い過ぎかもしれませんが、しっかり精査し成長に寄与できていると自覚しています。
今後もクラウド×セキュリティの領域を中心に、機会があれば積極的に実行していきたいと考えています。
質疑応答:「CloudFastener」のCACの実績値とLTVについて

「『CloudFastener』のユーザー当たりのCACの実績値と、LTV(ライフタイムバリュー)教えてください」というご質問です。
CAC(カスタマー・アクイジション・コスト)は、顧客を獲得するための単価です。CACの実績値の公表は差し控えますが、これまでのお客さまの獲得は、大半が私たちの既存顧客です。
特に「WafCharm」を利用しているお客さまには非常に引き合いが強く、そのようなお客さまを中心にご利用いただいています。そのような意味では、顧客を獲得するために使ったマーケティングコストは非常に低く抑えられているというのが実績です。
LTVはまさに今始まったところで、今後、何年間続けていただけるかが答え合わせになると思います。ただし、私たちの「CloudFastener」という製品自体は、少し使ってみてやめるという類の製品ではありません。
日々進化していくクラウドの世界や、高度化していくセキュリティの脅威に対し、「すべて私たちが見守ります」とくさびを打つ製品ですので、よほどの不満があったり、事故があったりすることがない限り、LTVは非常に高くなっていくのではないかと見ています。
そのような思想で商品設計をしているため、今後、より売上としてARRが増えていく中で、LTVに関しても、その狙いが証明されていくのではないかと考えています。
小池氏からのご挨拶
2024年12月期通期決算説明会を終了します。本日はお忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。引き続きご支援のほど、よろしくお願いします。
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