【これからの見通し】昨日の米雇用統計通過も方向感出ず、きょうは英インフレ統計と米金融当局者発言に注目

著者:MINKABU PRESS
投稿:2025/12/17 15:53
【これからの見通し】昨日の米雇用統計通過も方向感出ず、きょうは英インフレ統計と米金融当局者発言に注目

 昨日の米雇用統計は非農業部門雇用者数が10月分減少、11月分増加と政府機関閉鎖の影響を受けてノイジーな結果だった。失業率は4.6%と大方の市場予想を0.1%ポイント上回った。全般に弱い雇用状況が示されていた。しかし、ドル売りの初動反応は一時的にとどまり、ドルが買い戻されている。今日の東京市場でもドル円は154円台半ば付近から155円前半へと上昇して入り、ユーロドルやポンドドルの下落とともにドル高の流れを示している。

 きょうは米雇用統計を通過、あすの英欧中銀金融政策発表や、金曜日の日銀決定会合結果発表などを控えており、やや狭間の一日となる感がある。そのなかでは、欧州時間には英インフレ指標、そしてNY時間には米FRB高官発言が注目材料となろう。

 英CPI(11月)は前年比+3.5%予想と前回の+3.6%からの若干の鈍化見込み。コア前年比は+3.4%と前回並み水準とみられている。前月比は横ばいの予想で、前回の+0.4%からは伸びを欠くこととなる。前回からの比較ではインフレ鈍化とみられており、明日の英中銀利下げ観測を否定するものとはならないだろう。ただ、サービスCPIが前年比+4.5%と前回並み高水準にとどまる見込みで、昨日の英雇用統計の賃金高止まりとともにインフレ警戒は残りそうだ。あすの英中銀政策金利決定は、5対4での利下げ決定が予想されており、前回の据え置きと同様にかなり拮抗したものとなりそうだ。

 NY時間に入ってからは、ウォラーFRB理事が経済見通しについて講演、ウィリアムズNY連銀総裁が外国為替市場構造会議で開会挨拶、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に出席する予定となっている。FRB内部はタカ派・ハト派の見方が対立していると報じられている。発言内容ごとにドル相場が神経質に反応する可能性があり注意しておきたい。また、この時間帯には米20年債入札(130億ドル)が実施される。最近、振幅の激しい原油相場にとっては、米週間石油在庫統計の結果にも注意しておきたい。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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