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【QAあり】イントラスト、売上高・営業利益ともに前年比2桁増で過去最高 26年3月期も増収増益計画、プライム市場再上場を目指す

投稿:2025/05/22 15:00

目次

桑原豊氏(以下、桑原):みなさまお忙しい中、株式会社イントラストの2025年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の桑原豊です。それではご説明します。

まず、あらためて当社のことを知っていただくために、簡単に会社概要をご説明します。次に、2025年3月期の業績をご報告します。そして2026年3月期の会社計画をご説明します。なお、最後にAPPENDIXがあります。ご関心を持っていただけるようでしたら、ぜひこちらの資料もご参照ください。

会社概要(2025年3月末時点)

会社概要です。設立は2006年の3月で、来年3月で丸20年となります。資本金は10億4,900万円で、決算期は3月です。代表取締役は私が務めています。

所在地は千代田区の麹町、主な拠点は秋田、仙台、富山、名古屋、大阪、福岡、そして本社から歩いて3、4分のところに東京本社ANNEX、大阪にも大阪瓦町ANNEXがあります。この他、主にオペレーション関係や審査関係の業務を行っている浜松ソリューションセンターがあります。これらの拠点で当社の業務を遂行しています。

従業員数は連結で330名、単体で308名です。こちらはアルバイト・パートを含めています。事業内容は保証事業およびソリューション事業になります。

事業内容(概要)

事業内容を簡単にご説明します。当社は保証事業とソリューション事業という2本体制で行っています。

このうち、保証事業は当社がリスクをとる商品です。主に家賃債務保証や、最近急激に伸びている医療費用保証、介護費用保証、養育費保証があります。一方でソリューション事業は、お客さまのご要望に応じて適宜、当社が持っているいろいろな仕組みの中で必要に応じたサービスをお客さまにご提供している商品です。

事業内容(詳細①保証事業)

保証事業について簡単にご説明します。スライド左側の家賃債務保証が非常にわかりやすいと思いますので、こちらを中心にご説明します。

建物をお持ちのオーナーと、オーナーのお部屋に入居を希望される入居希望者もしくは入居者の方がいます。この間で賃貸借契約が結ばれます。「この部屋を貸してほしい」「この部屋をお貸しします」「一定の家賃を払って一定の期日にお支払いください」など、簡単にいえばこれらのことが賃貸借契約の中に盛り込まれている契約を結びます。

一定の期日に家賃を払っていただきますが、なんらかの理由でお支払いが滞った場合には、当社が保証します。いったん代位弁済というかたちでオーナーに家賃の立て替え分を支払います。そして、当社が入居者の方と直接接触し、「立て替えた家賃を当社にお支払いください」という連絡業務をします。

入居者の方にとっては、別途連帯保証人を連れてこなくても入居することができます。オーナー側からすると、当社が間に入ることによって確実に家賃の補填がされます。

お手間をかけず簡便でありながらスムーズに家賃を収納することができ、安全を確保できる商品として非常にご好評をいただいています。この入居者、オーナー、当社の三角形をとなるスキームを応用し、他業界へ横展開しています。家賃債務保証会社は全国にいくつかあるようですが、これらを横展開しているのが当社の特徴です。

医療に関しては、入院を希望される患者と病院の間に医療行為の契約を結ばれます。「治療を受けます」「入院して治療費をお支払いします」といった契約です。そこに当社が間に入り、なんらかの理由で医療費・治療費・入院費のお支払いが滞った場合、当社が病院にお支払いをして、後日あらためて当社が入院患者、治療をされている方へご連絡し、立て替えた費用を回収します。

介護も同じような仕組みとなります。今までは介護施設への入所希望者もしくは入所者には、ご家族もしくはなんらかの知り合いの方が介護の連帯保証人になる必要がありました。私も父と母がこのような施設に入所する時に経験しています。介護費用保証も家賃債務保証と同様に、入所希望者の方や施設側の方が、安心して契約を結んでいただける仕組みとなっています。

養育費に関して、養育費の不払い問題についてはみなさまもニュースなどでご存じだと思います。例えば、離婚されたご夫妻の間にお子さまがいらっしゃって、お母さまが親権を取り、お父さまが養育費支払い義務者となる場合、スムーズに養育費が払われていないという現実があるようです。約75パーセントほどの方が養育費を受け取っていないのが実態です。

養育費保証は数年前から手がけてきたサービスです。後ほどご説明しますが、九州の宮崎市で自治体向け養育費保証の提供を開始しました。今後全国的に広げていこうという動きが現在始まっています。

このように、当社は家賃債務保証会社というかたちではなく、この仕組みを使って医療・介護・養育費、さまざまな保証サービスを展開している会社です。

事業内容(詳細②ソリューション事業)

ソリューション事業は、不動産管理会社に対してかなり幅広い商品を提供しています。これは家賃債務保証から派生した商品で、リスクは取りませんが、審査業務、決済機能、法対応支援などの保証事業の運用における特殊な業務を提供しています。

その他にオプションサービスとして、賃貸借住宅の入居者の方々への保険加入促進、コールセンター業務の提供、家賃未入金のご連絡をするSMS送信の仕組みなど、クライアントからご要望いただいた内容を個別にご提供しています。

業績ハイライト

前期、2025年3月期の業績をご報告します。売上高、営業利益はおかげさまで順調で、右肩上がりに推移しています。売上高は前年比117.9パーセント、営業利益は前年比112.3パーセントです。スライドに記載のとおり、売上高、営業利益、当期純利益は、それぞれ前年から2桁の増加で推移しています。

また、年間配当は25.0円です。前年比で7.0円増配しています。配当性向は41.1パーセントと、9期連続の増配を実現しています。時価総額は174億円、EPSは60.8円、ROEは20.85パーセントです。

業績の概要

業績の概要として、もう少し見やすく示したものがスライドの表になります。売上高は、保証事業の家賃債務保証、医療・介護費用保証のいずれも2桁増収しています。営業利益は、保証事業の成長に伴う業務委託手数料や貸倒引当金の増加を吸収し、2桁増益を実現しています。

家賃債務保証だけでなく、医療・介護費用保証、養育費保証も当社がリスクを取る商品です。当然ながら、そこには一定の率で回収できない部分があり、そこが貸倒引当金にあたります。それらもすべて適切に処理し、吸収しながらトップラインを伸ばし、ボトムラインも2桁成長という状況を作り出すことができました。

また、ラクーンレント社をM&Aし、子会社としても成長しています。

第3次中期経営計画達成に向けた1年目のアクション

一方で、第3次中期経営計画も走っている状況です。当社は2006年に創業し、家賃債務保証からスタートしました。当時から、日本の人口減少も当然ある程度理解、認識していました。そこで培ったノウハウを横展開していき、「裾野を広く、山を高くしていきたい」という考えが2006年の創業時からの戦略です。

ちなみに、家賃債務保証で培ったノウハウを横展開したものが、医療・介護費用保証や養育費保証です。この他、現在もいろいろな保証を手がけており、みなさまに成長を詳しくご説明する時がまもなくくるのではないかと思います。そのように当社は成長しています。

中期経営計画の中で毎期の数字を確保することも当然ですが、もう少し長い目で、中期経営計画中に実現していこうとしていることはM&Aです。実績としてはプレミアライフ社があります。その後、ラクーンレント社の株式を取得しています。プレミアライフ社がラクーンレント社を吸収合併し、家賃債務保証を行っています。

M&Aについては、継続的に実施しています。今後のM&Aの相手としてどのような会社がふさわしいかに関しては、必ずしも家賃債務保証会社には絞り込んでいません。事業シナジーが見込めるのであれば、他業界案件の検討も積極的に推進します。すでに複数社と面談を実施し、さまざまな議論を交わしています。M&Aを積極的に行っていくことに関しては、今後も引き続き方針は変わりません。ふさわしいお相手がいれば、当社と一緒に成長していけるような機会を作っていきたいと考えています。

2つ目は新商品リリースについてです。当社の新商品開発能力はかなり高いものだと自負しています。つい最近発表しましたが、GMS社と三井住友海上社と提携し、「カーUP応援保証」という商品をリリースしました。これは、自社割賦という販売方法を取っている中古車販売業者に対して、一部を保証しています。

みなさまご存知のとおり、自動車マーケットは膨大なマーケットで、中古車マーケットも膨大です。自社割賦販売に関して当社が関与し、流通を活性化させていきたいと考えています。

次に、介護福祉士修学資金保証についてです。先ほどメインの商品として家賃債務保証、医療・介護費用保証、養育費保証をご紹介しましたが、その中の介護費用保証とは異なります。介護福祉士が非常に不足していることから、介護について勉強し、やがて介護士となって介護施設に巣立っていくための修学資金の保証ニーズが常に多くあります。

こちらも三井住友海上社と提携し、日本介護福祉士養成施設協会(介養協)を中心に介護福祉士等資金貸付制度の機関保証を開発し、4月から提供を開始しています。申し込みもかなり多くなってきています。

このように、当初は家賃債務保証からスタートしましたが、このノウハウを横展開し、保証会社として当社のサービスを提供していける分野がまだあり、商品の開発力の高さが当社の特徴だと感じています。総合保証サービス会社と自負している中で、引き続き新しい商品や保証を世に出していきたいと考えています。

3つ目は既存事業の推進です。スライドは養育費保証についてです。養育費保証がこれから世の中に浸透していくと感じた理由は、先ほど少し触れた約75パーセントの方々が養育費を受け取れていないという実態です。この実態に役に立てる保証商品として養育費保証の提供を開始しさまざまなことに挑戦してみましたが、スタートした当初はなかなか推進が難しく何度か失敗もあり、世の中に普及させていくのはなかなか難しいと思っていました。

しかし、東京海上社が国や地方自治体と提携し、養育費を受け取れていない方々に対する支援体制を取っており、そこに当社の商品を提供することで、養育費を受け取れていない方々に対する支援を日本で初めて宮崎市で導入することに至りました。他の地方自治体の方も非常に関心があると感じていますので、宮崎市での導入を第一歩に、今後もこのような動きを1つずつ積み重ねていきたいと考えています。

第3次中期経営計画達成に向けた1年目は、これらを中心に積み上げていきながらスタートしました。

売上高の四半期推移

売上高は前年比117.8パーセントと2桁成長となりました。主に、リスクを取る保証事業が伸びています。保証事業は前年比123.1パーセントで、きれいな右肩上がりが続いています。

営業利益の四半期推移

営業利益は、多少の凹凸はありますが、全体的に見ると非常にきれいな右肩上がりで推移しています。

営業利益の増減分析

営業利益の増減分析です。ソリューション売上がマイナスになっていますが、これはソリューション事業から保証事業に切り替わることにより、ソリューション事業の売上が減少し、保証事業の売上にシフトしていることが要因です。また、人件費は会社の成長に伴う社員の増加や新入社員の採用などです。

貸倒保証履行引当金に関しては、保有契約のボリュームが大きくなっているため、貸倒引当金を適正に引き当てています。

家賃分野|保有件数の四半期推移

家賃分野の保有件数です。おかげさまで、右肩上がりで増加しています。先ほど貸倒引当金の話がありましたが、件数が増えると当然ながら保有が増えていきますので、貸倒引当金も一定の率で増えていきます。これは適正といえます。さらに当社の場合は非常に保守的な会計方針を取っていますので、結果的に安定した営業収益が得られています。

新分野|医療費用保証の四半期売上推移

当社の2本目の柱にしたいと思っている医療費用保証についてです。コロナ禍の時期は活躍の度合いをみなさまに数字としてお知らせしづらかったのですが、ようやくスライドのような右肩上がりで進むようになりました。

当社は「裾野を広く、山を高くしていきたい」といった戦略で会社をスタートしました。医療費用保証のマーケットを最初に手がけた会社として、今後も一定の投資を行いながら、確実に数字を作っていきたいと思います。昨年よりも今年のほうがスピード感を持って契約数を増やせていると感じています。

新分野|介護費用保証の四半期売上推移

介護費用保証も非常にニーズが高いです。冒頭でご説明したように、今まではアパートやマンションに入居する時と同様、介護施設へ入所する時にもお子さまやご親戚などの方に連帯保証人になっていただく必要がありました。

連帯保証を非常にわかりやすい内容の商品としたことで、施設側も安心して入所を受け入れることができます。入所希望者も、身内の方々に精神的な負荷をかけずに入所できます。

スライドに「傷害保険付き介護費用保証」と記載していますが、これは例えば体力的に弱っている高齢者が施設内で転んでけがをされた時に活用できます。

介護施設は施設賠償責任保険という保険に加入しています。施設側で過失があった場合に入所者は保険金を請求しますが、これまでは一定の時間がかかり、その過失を証明しなければなりませんでした。

これに対して傷害保険付き介護費用保証は、過失の証明などの手続きは簡素化されており、施設側から一部見舞金として保険金をお支払いできます。なお、傷害保険付き介護費用保証は保険会社と提携してご提供しています。

先ほどお話しした連帯保証人代行制度の商品では、ちょっとした心遣いとして傷害保険が付いており、見舞金というかたちで手軽に保険金を受け取れることが、施設入所者・施設側双方から好評です。これが介護費用保証の推進に大いに役立ち、事業を加速させています。いろいろな介護施設からのお問い合わせが非常に増えてきているところですので、ぜひご期待いただきたいです。

スライドに数字で記載していますが、売上高は前年比約1.5倍となり、今期から来期にかけてはもう少し加速させていきたいと考えています。今後のご報告にぜひご注目いただきたいと思います。

その他財務データ(貸借対照表)

財務データはスライドのとおりです。貸倒引当金が増えています。また、流動負債のうち前受収益が着実に増えています。保証履行引当金は新規契約増加に連動しており、非常に適正な数字だと感じています。

ここまでが2025年3月期の業績報告となります。

全体計画サマリと進捗

次に会社計画をご説明します。すでにスタートしている2026年3月期の計画です。現在予測として出しているトップラインは120億円、営業利益は26億円です。前期実績と今期計画を比較すると、再度2桁成長を考えています。

「プライム市場へ再上場する気持ちはあるのか?」とのご質問をよくいただきますが、もちろんあります。現在予測している業績等を着実に勝ち取っていけば、みなさまからのご評価もいただけるだろうと考えており、プライム市場への再上場を目論んだ上での活動をしています。

売上高の年間推移と計画

売上高は2桁成長となる前年比13.5パーセント増を計画し、これに向けて進んでいるところです。そのうち、医療・介護費用保証の数字をさらに伸ばすことで、次の高みを目指していきたいと考えています。

売上高の年間計画 (詳細)

売上高の年間計画のブレークダウンはスライドのとおりです。家賃債務保証がまだ多いですが、医療用保証、介護用保証、養育費保証、「カーUP応援保証」の他、日本介護福祉士養成施設協会などいろいろな機関との提携による保証の数値も着実に膨らんでいくと考えています。

営業利益の増減分析 (計画)

今期の営業利益の増減分析です。スライドに記載のとおり、Windowsのアップデートや基幹システムの強化、社員教育研修を実施する予定です。費用増加を上回る営業利益の拡大を計画するというスポット的な部分もありますが、会社としては着実に成長していくための計画を立てています。

配当の年間推移と計画

配当についてです。中期経営計画でも説明していますが、前期の配当は25円、今期は前年比10円増配の35円です。当社は有利子負債もなく、キャッシュはそれなりに持っています。以前の説明会でもご説明したかもしれませんが、株主さまに対する還元は、会社の方針として優先順位がかなり高いものと考えています。

その中で前期の配当性向は41.1パーセント、今期は50.5パーセント、来期は60パーセントを計画しています。ここをしっかりと実現していきたいと思っています。

会社概要から前期の業績、今期の会社計画を簡単にご説明しました。この後は、私がご説明できるところは私がして、さらに詳しくご説明する部分があればCFOの太田博之が詳細をご説明することで、みなさまのご理解を得たいと考えています。

質疑応答:M&Aの検討企業および具体的活動について

司会者:「M&Aの検討を引き続き強化するとのことですが、どのような企業を対象としているのでしょうか? また、これまで行ってきた具体的なアクションをあらためて教えてください」というご質問です。

桑原:先ほども少し触れましたが、M&Aの対象会社は、もちろん同業他社が対象になります。しかし、必ずしも同業他社のみを目論んでいるわけではありません。

当社は総合保証サービス会社として、これからもいろいろな分野に、いろいろな商品をご提供していくつもりです。したがってどのような企業というよりも、我々とシナジーを創出し、一緒に成長していけるような会社とのご縁を、日夜探しているところです。

具体的なアクションとしては、M&A仲介会社と軒並み連絡、連携を取っています。ご紹介いただける案件はすべての可能性を否定せず、いろいろな業種の方とご連絡を取り、お話ししています。

現時点でみなさまにお伝えできるような成果はまだありませんが、かなり積極的な活動はしています。成果が出た時には適宜ご報告したいと思っています。

質疑応答:配当性向の実現可能性について

司会者:「配当性向が毎期約10パーセントずつ上がっており、中期経営計画の最終年度は60パーセントと計画されています。この実現可能性について教えてください」というご質問です。

桑原:今期は50パーセント、来期は60パーセントを掲げています。乱暴な言い方をすれば、事業の収益に対して、株主さまに還元する割合を我々が決められるわけです。配当性向を60パーセントと公言した以上、これを実現していくために、60パーセント、つまり47円の還元と具体的な数字まで掲げています。

「この数字を具体的に掲げている会社はなかなかありませんよね?」というお話もいただくのですが、少なくとも60パーセントという数字に関して、当社としてはコミットしたつもりでいます。このため、これは実現可能性としてはかなり高いものとご判断いただいてよろしいのではないかと思っています。

質疑応答:医療・介護費用保証の収益の季節性について

司会者:「医療・介護費用保証の収益に季節性はありますか? なければ、今期の見通しが保守的に見えたのですがいかがでしょうか?」というご質問です。

桑原:まず「収益に季節性がありますか?」との質問に対する答えは、「収益に季節性はありません」としたほうがいいかもしれません。

ただ、成約はやはり「4月から」がかなり多くなります。特に公的病院は、10月から11月ぐらいまでに来年度の予算を取り、「4月1日から契約」というケースが多いかと思っています。

「今期の見通しが保守的に見えたのですがいかがでしょうか?」との質問ですが、きっちり数字を実行することが大事だと考えています。また医療費用保証は特殊性があり、前期の未収金に対して、翌年の保証料が決まるという商品になっています。このため、我々が保証事業を行うことによって、未収金が減少するという良い効果が出ます。それらを見込んだ上で、今回の予算計画としました。

質疑応答:保証事業の安定継続に向けた現金水準について

司会者:「保証事業を安定的に継続するための現金水準はどの程度と考えていますか? その考え方はどのようなものでしょうか?」というご質問です。

桑原:これに関しては、CFOの太田博之から詳しくご説明いたします。

太田博之氏:当社の保証事業は立て替えて回収する流れになっており、現在は月40億円ぐらいの現金が回っています。したがって、最低40億円が手元にあれば、事業としては継続的に推移すると考えています。

当社は保証事業を拡大していく方針ですので、その分は保有件数に応じて増えていきます。残りの部分を配当や投資、M&Aに使っていきたいという方針です。

質疑応答:住宅ローン保証会社のM&Aについて

司会者:「M&A戦略において、当然同業も対象に入っているとのことですが、例えば御社の既存業務以外に、住宅ローン保証に従事している企業も対象に入ってくるのでしょうか?」というご質問です。

桑原:先ほどもお話ししたとおり、「すべての可能性は否定しない」状況です。ボリューム的にはまだ少ないですが、当社でも住宅ローン保証事業を行っており、それなりのノウハウは積んできていると思います。

ただし、商品そのものというよりも、我々と一緒に成長していけるシナジーが見込める会社、我々が支援のようなかたちで一定の力を注ぐことで、さらにきれいになっていく会社であると確認できれば、保証に限らず別の会社でもM&Aを手がけていけるのではないかとも考えています。

ご質問にそのままお答えするとするならば、「イエス」と答えておいたほうがよいかと感じています。

質疑応答:U-NEXT HOLDINGS社の参入に対する影響について

司会者:「U-NEXT HOLDINGS社が住宅向けの家賃保証に参入しますが、御社の事業成長へ影響が出ますでしょうか?」というご質問です。

桑原:U-NEXT HOLDINGS社だけでなく、競合他社はすでにいらっしゃいます。先方の戦略も戦術も、どのような商品かもわかっていませんので、ご質問に対する答えはなんともいえません。

A社、B社、C社が家賃保証へ参入することが、当社にだけ成長の大きな足かせになると考えてはいません。

質疑応答:プライム市場への再上場の進捗について

司会者:「『プライム市場への再上場に向けて』と資料にありますが、進捗について教えてください」というご質問です。

桑原:プライム市場のレギュレーションにおいて当社が足りていないのは、流通株式比率と流通株式時価総額です。我々の認識では現在の流通株式比率は34.9パーセントぐらいです。

ご承知のとおりプライム市場で上場維持するための流通株式比率は35パーセント以上を基準としていますが、私も含め幾ばくかのバッファがあります。例えば主要株主ももちろんいますし、私の保有株式もあります。その0.1パーセントの融通は、我々の自助努力の中で達成できるかと考えています。

もう1つの流通株式時価総額100億円以上については、株価が上がっていけばみなさまに評価いただける状態になっていくかと思います。現在の我々の試算では、1,140円ぐらいの株価で流通株式時価総額100億円を超えます。

我々の思いとしては、第3次中期経営計画ではトップラインが150億円、ボトムラインが30億円、営業利益率は20パーセントです。当社は現在、ボトムラインが22億円強ぐらいで推移していますので、営業利益に関してはなんとか達成できると思います。

トップラインも、もちろんお約束した数字ですので、達成するために一生懸命努力を重ねていきます。これらをすべて達成すれば、プライム市場へのレギュレーションもクリアでき、再上場が可能なのではないかと強く感じています。

質疑応答:M&Aに関する話し合いについて

司会者:「M&Aに関して複数社との面談を実施しているとのご説明がありました。最終的に合意に至るかは別として、それらの企業とは現在も話し合いを続けているとの理解でよろしいでしょうか?」というご質問です。

桑原:残念ながら、途中でお話が終わってしまった相手ももちろんいらっしゃいますが、話し合いを続けているご理解でかまいません。

質疑応答:医療・介護費用保証が順調な要因について

司会者:「医療・介護費用保証が順調に成長してきていますが、この要因を教えてください」というご質問です。

桑原:我々が認識している範囲内ではありますが、医療費用保証、介護費用保証ともに、我々が最初に商品として世に出した自負があります。先行メリットは確実にあったと思います。また、先だって商品を出す中で、お客さまからのいろいろなご意見やご指摘も、おそらく最も受けている会社だと思います。

それに応じて商品を磨き込んできたところが、商品競争力につながっていると思います。そのあたりが、現在順調に成長している大きな要因かと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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