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フェローテックのニュース
*12:01JST フェローテク Research Memo(1):2025年3月期は増収ながら、償却負担増などで営業利益は微減
■要約
フェローテック<6890>の主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)、磁性流体、サーモモジュール、パワー半導体基板など様々な製品、装置、部品、素材等の製造・販売だが、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなどの事業も行っている。
1. 2025年3月期業績(実績)
2025年3月期の業績は、売上高が前期比23.4%増の274,390百万円、営業利益が同3.1%減の24,089百万円、経常利益が同3.7%減の25,558百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.6%増の15,692百万円となった。主力の半導体等装置関連は増収となったが、新工場の立ち上げに伴う償却負担や経費増で減益となり、これが全体の利益の足を引っ張った。セグメント別の売上高は、半導体等装置関連が同27.0%増、電子デバイスが同21.0%増、今期から新区分となった車載関連が同17.7%増、その他が同13.9%増となった。法人税等が5,746百万円(前期は5,510百万円)になったこと、非支配株主に帰属する当期純利益が3,607百万円(同5,481百万円)に減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増益となった。設備投資額は51,776百万円(同75,227百万円)と減少したものの、一方で減価償却費は23,672百万円(同16,398百万円)となった。
2. 2026年3月期業績(予想)
2026年3月期の業績は、売上高285,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益28,000百万円(同16.2%増)、経常利益26,000百万円(同1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円(同2.0%増)を見込んでいる。世界的に半導体市場が踊り場を迎えている状況で、先行きも不透明であることから主力の半導体等装置関連は同7.4%増を見込んでいる。一方で、AI関連向けサーモモジュールがけん引して電子デバイスは同12.7%増の予想。車載関連は、パワー半導体基板やセンサが増加することから同17.8%増を見込み、その他は太陽光関連の縮小で同47.5%減を見込んでいる。その結果、営業利益は増益予想となっているが、為替が円高に振れていることなどから営業外収益が減少する見込みで、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は微増予想となっている。設備投資額は65,000百万円と増加し、減価償却費は27,000百万円を見込んでいる。
3. 中期経営計画
同社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表済みだが、初年度の2025年3月期の業績が当初計画を下回ったことから、この計画をロールオーバーした。新たな定量的な最終目標として、2028年3月期に売上高4,000億円、営業利益470億円、営業利益率11.8%、ROE15%などを掲げている。またこの間の設備投資総額(累計)は1,400億円を計画している。引き続き成長ドライバーとして、半導体マテリアル(石英製品、セラミックス、シリコンパーツ等)、半導体サービス(装置部品洗浄、石英坩堝、再生ウエーハ等)、半導体金属・装置(金属加工、蒸着装置等)、電子デバイス(サーモモジュール、パワー半導体基板等)を挙げており、この方針は変わっていない。足元の業績はやや足踏みしているが、基本的な戦略を粛々と進める方針だ。
■Key Points
・シリコンやセラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・2025年3月期は増収ながら経費や償却負担増で前期比3.1%の営業減益
・中期経営計画をロールオーバーし、2028年3月期に営業利益470億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
フェローテック<6890>の主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)、磁性流体、サーモモジュール、パワー半導体基板など様々な製品、装置、部品、素材等の製造・販売だが、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなどの事業も行っている。
1. 2025年3月期業績(実績)
2025年3月期の業績は、売上高が前期比23.4%増の274,390百万円、営業利益が同3.1%減の24,089百万円、経常利益が同3.7%減の25,558百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.6%増の15,692百万円となった。主力の半導体等装置関連は増収となったが、新工場の立ち上げに伴う償却負担や経費増で減益となり、これが全体の利益の足を引っ張った。セグメント別の売上高は、半導体等装置関連が同27.0%増、電子デバイスが同21.0%増、今期から新区分となった車載関連が同17.7%増、その他が同13.9%増となった。法人税等が5,746百万円(前期は5,510百万円)になったこと、非支配株主に帰属する当期純利益が3,607百万円(同5,481百万円)に減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増益となった。設備投資額は51,776百万円(同75,227百万円)と減少したものの、一方で減価償却費は23,672百万円(同16,398百万円)となった。
2. 2026年3月期業績(予想)
2026年3月期の業績は、売上高285,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益28,000百万円(同16.2%増)、経常利益26,000百万円(同1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円(同2.0%増)を見込んでいる。世界的に半導体市場が踊り場を迎えている状況で、先行きも不透明であることから主力の半導体等装置関連は同7.4%増を見込んでいる。一方で、AI関連向けサーモモジュールがけん引して電子デバイスは同12.7%増の予想。車載関連は、パワー半導体基板やセンサが増加することから同17.8%増を見込み、その他は太陽光関連の縮小で同47.5%減を見込んでいる。その結果、営業利益は増益予想となっているが、為替が円高に振れていることなどから営業外収益が減少する見込みで、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は微増予想となっている。設備投資額は65,000百万円と増加し、減価償却費は27,000百万円を見込んでいる。
3. 中期経営計画
同社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表済みだが、初年度の2025年3月期の業績が当初計画を下回ったことから、この計画をロールオーバーした。新たな定量的な最終目標として、2028年3月期に売上高4,000億円、営業利益470億円、営業利益率11.8%、ROE15%などを掲げている。またこの間の設備投資総額(累計)は1,400億円を計画している。引き続き成長ドライバーとして、半導体マテリアル(石英製品、セラミックス、シリコンパーツ等)、半導体サービス(装置部品洗浄、石英坩堝、再生ウエーハ等)、半導体金属・装置(金属加工、蒸着装置等)、電子デバイス(サーモモジュール、パワー半導体基板等)を挙げており、この方針は変わっていない。足元の業績はやや足踏みしているが、基本的な戦略を粛々と進める方針だ。
■Key Points
・シリコンやセラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・2025年3月期は増収ながら経費や償却負担増で前期比3.1%の営業減益
・中期経営計画をロールオーバーし、2028年3月期に営業利益470億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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