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パンチ工業のニュース
*09:24JST パンチ工業:日本・中国で特注金型部品シェア1位、ミスミグループとの協業に注目
パンチ工業<6165>は1975年創業の金型用部品メーカーで、主にプラスチック製品の製造工程で用いられる射出成型用金型に組み込まれるエジェクタピンやスプルーブシュ等の金型用部品、プレス金型用のパンチ・ダイやダイセットガイド等の製造・販売を行っている。同社製品は金型を構成するためになくてはならないため、生活を支える「縁の下の力持ち」となる。金型用部品は、汎用性の高い標準製品を豊富にラインナップする「カタログ品」とカスタムニーズにも柔軟に対応する「特注品」に分けられているが、同社は日本・中国で特注金型部品シェア1位となっている。2,000台以上の設備で幅広い対応力を持つ一気通貫の生産体制や顧客密着型の営業体制、創業以来培っている高い技術力が特徴となる。
国内では、全国10カ所に販売拠点で約6000社の顧客と取引を行い、中国では約8千社の顧客と取引を行っている。2024年3月期における地域別売上高構成比では、日本32.4%、中国53.3%、東南アジア5.0%、欧州その他9.3%。業種別売上高構成比では、自動車43.1%、電子部品・半導体18.1%、家電・精密機器9.5%、その他29.3%。金型用部品の新規顧客開拓はカタログ品の取引からスタートし、顧客の信頼を高めてから付加価値の高い特注品の受注を獲得していく営業戦略となる。カタログ品と特注品の比率は4.5:5.5程度と特注品。継続的な受注が見込まれるカタログ品が工場の稼働率を安定させる役割を果たし、付加価値の高い特注品を獲得することで利益率を高めていくバランスのとれた構造になっている。
2025年3月期上期累計の売上高は前年同期比4.5%増の19,989百万円、営業利益が同32.7%増の692百万円で着地した。原材料・資源価格の高騰や部品不足等、協力工場からの仕入品の更なる価格上昇やエネルギーコストの高止まり等が継続し、日本、東南アジア地域においては前年同期を下回る実績となった一方、中国においては自動車関連の不振、景況悪化等による低迷からの回復の兆しがみられたようだ。数字面では、上期累計の国内売上高は前年同期比11.6%減、中国売上高は同15.8%増、東南アジア地域の売上高は同2.1%減、欧米他地域の売上高は同4.7%増となった。また、業種別では、自動車関連は同3.8%増、電子部品・半導体関連は同5.3%減、家電・精密機器関連は同4.7%増。通期の売上高は前期比29.0%増の1,600百万円、営業利益が同6.4%増の40.800百万円を見込んでいる。
同社はミスミグループ本社<9962>と資本業務提携契約を締結しており、付加価値の高い特注品ビジネスにより特化して持続的な利益成長を目指している。ただ、同提携は、パンチグループとミスミグループが対等なパートナーとして継続的に共存共栄を図り、産業界全体の繁栄を目指すものである。ミスミグループはカタログ品を顧客工場に短納期で供給する「グローバル確実短納期」の強固な供給体制およびデジタル対応力に強みを持っている一方で、パンチグループは精密加工技術のノウハウおよび標準部品から特注部品までの幅広い対応力を有しており、互いの強みを最大限に活かしていく狙い。国内市場の成長鈍化や高齢化社会の進展、後継者不足やコスト高などの難しい市場環境のなかで、「標準品」×「特注品」の協業によりグローバルに事業成長を果たしていくようだ。
現状、両社の協業による大きな効果は見込めるものの協議中案件が多く、上振れ幅が不透明だという。26年3月期は中期経営計画を策定せず、効果の測定を行う期間として設定しており、次期中期経営計画は27年3月期より開始する予定。ただ、トップライン・営業利益ともに右肩上がりの成長を想定している。株主還元では、配当方針「連結配当性向30%以上、かつ株主資本配当率(DOE)3%以上」を掲げており、直近の配当利回りは4.5%を超える水準。足元再成長に向けてミスミグループとの協業過程を見守りたいが、PBR0.5倍台で推移する中で、株主還元に積極的な同社の今後の動向は注目しておきたい。
<NH>
国内では、全国10カ所に販売拠点で約6000社の顧客と取引を行い、中国では約8千社の顧客と取引を行っている。2024年3月期における地域別売上高構成比では、日本32.4%、中国53.3%、東南アジア5.0%、欧州その他9.3%。業種別売上高構成比では、自動車43.1%、電子部品・半導体18.1%、家電・精密機器9.5%、その他29.3%。金型用部品の新規顧客開拓はカタログ品の取引からスタートし、顧客の信頼を高めてから付加価値の高い特注品の受注を獲得していく営業戦略となる。カタログ品と特注品の比率は4.5:5.5程度と特注品。継続的な受注が見込まれるカタログ品が工場の稼働率を安定させる役割を果たし、付加価値の高い特注品を獲得することで利益率を高めていくバランスのとれた構造になっている。
2025年3月期上期累計の売上高は前年同期比4.5%増の19,989百万円、営業利益が同32.7%増の692百万円で着地した。原材料・資源価格の高騰や部品不足等、協力工場からの仕入品の更なる価格上昇やエネルギーコストの高止まり等が継続し、日本、東南アジア地域においては前年同期を下回る実績となった一方、中国においては自動車関連の不振、景況悪化等による低迷からの回復の兆しがみられたようだ。数字面では、上期累計の国内売上高は前年同期比11.6%減、中国売上高は同15.8%増、東南アジア地域の売上高は同2.1%減、欧米他地域の売上高は同4.7%増となった。また、業種別では、自動車関連は同3.8%増、電子部品・半導体関連は同5.3%減、家電・精密機器関連は同4.7%増。通期の売上高は前期比29.0%増の1,600百万円、営業利益が同6.4%増の40.800百万円を見込んでいる。
同社はミスミグループ本社<9962>と資本業務提携契約を締結しており、付加価値の高い特注品ビジネスにより特化して持続的な利益成長を目指している。ただ、同提携は、パンチグループとミスミグループが対等なパートナーとして継続的に共存共栄を図り、産業界全体の繁栄を目指すものである。ミスミグループはカタログ品を顧客工場に短納期で供給する「グローバル確実短納期」の強固な供給体制およびデジタル対応力に強みを持っている一方で、パンチグループは精密加工技術のノウハウおよび標準部品から特注部品までの幅広い対応力を有しており、互いの強みを最大限に活かしていく狙い。国内市場の成長鈍化や高齢化社会の進展、後継者不足やコスト高などの難しい市場環境のなかで、「標準品」×「特注品」の協業によりグローバルに事業成長を果たしていくようだ。
現状、両社の協業による大きな効果は見込めるものの協議中案件が多く、上振れ幅が不透明だという。26年3月期は中期経営計画を策定せず、効果の測定を行う期間として設定しており、次期中期経営計画は27年3月期より開始する予定。ただ、トップライン・営業利益ともに右肩上がりの成長を想定している。株主還元では、配当方針「連結配当性向30%以上、かつ株主資本配当率(DOE)3%以上」を掲げており、直近の配当利回りは4.5%を超える水準。足元再成長に向けてミスミグループとの協業過程を見守りたいが、PBR0.5倍台で推移する中で、株主還元に積極的な同社の今後の動向は注目しておきたい。
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