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網屋のニュース
*15:03JST 網屋 Research Memo(3):データセキュリティ事業はログマネジメントサービス「ALogシリーズ」を中心に展開
■網屋<4258>の事業概要
2. 事業セグメント
(1) データセキュリティ事業
データセキュリティ事業は、国内外6,000以上の契約実績(累計)があるログマネジメントサービス「ALogシリーズ」を中心に展開している。ログはファイルサーバだけでなく、ほかのサーバやネットワーク機器のログまで広範囲に管理できるため、内部不正対策やサイバー攻撃対策、障害原因の追究、ワークスタイルの変革などの課題解決に活用される。ログは、監視カメラと同じように事件後の追跡素材や証拠資料として重要な役割を担う。たとえば社内関係者によるデータ持ち出しの監視、外部からのサイバー攻撃検知、テレワーク下での労務管理など、あらゆる企業運営に関わる挙動に対してログを活用することができる。独自のログ翻訳変換技術と人工知能(AI)の不正予兆検知により、専門知識やノウハウがなくとも高度なログ活用を実現できる。
同事業で販売する製品は、富士通<6702>、デル・テクノロジーズ(株)などのサーバに付帯するセキュリティソフトウェアである。そのため、ハードベンダーまたはそれらを再販売するディストリビュータ(流通業者)などが主な販売代理店となっており、販売代理店を経由した間接販売が中心の事業である。いずれも顧客は大手企業であるため、債権回収リスクの低減にもつながっている。
売上高は、2024年4月からライセンス売切り型からサブスク型へ全面移行したことから年間契約による月額利用料が定期かつ継続的に発生する。主な売上原価は開発費、保守サポート要員の労務費、外部委託費である。料金体系をサブスク型に変更することで収益構造の転換を図るほか、教育事業等の新規事業も加わり、2025年12月期までにデータセキュリティ事業にてARR20.6億円を目指す方針である。
従来の「ALog」は、主に情報漏洩など内部不正抑止のためのログ管理製品であった。重要データが格納される大規模なファイルサーバやストレージサーバの操作を記録し、誰がいつどこでファイルを編集・削除・持ち出ししたのかを分析することで、社内において情報漏洩を監視・抑制できる。しかし最近では、企業の情報システムを構成するあらゆるサーバ、ネットワーク機器、セキュリティ機器等からログを取得し、外部からのサイバー攻撃を検知し、侵入経路や被害範囲を追跡するSIEM製品として主に活用されている。特長は、複雑なログを分かりやすく視認できるものに分析変換する加工技術である。他社製品の多くは大量かつ複雑なログをそのまま記録保管するのみだが、「ALogシリーズ」は、それを見える化する解析処理技術を有している。該当するログが分かりやすくなるため、有事の際には即時検知に役立てることができる。また、複雑な設計を要さないようにあらかじめ設計済みのテンプレートを標準提供しており、サイバー攻撃検知やテレワーク下での勤怠管理などが簡単にログで実現できる。従来のログ管理製品は、大量かつ複雑なログを効果的に活用できずにいたが、同社ではログの整理化、意味付け、活用方法を展開したテンプレートを標準付帯として提供している。さらにAI搭載により不審・不穏な挙動を過去のログから自動判定する機能もあり、事後追跡としてのログの活用から、予兆検知による不正の未然防止として利用できる。
2023年2月28日には、ログ管理製品「ALog」がクラウド対応したSaaS版「ALog クラウド版」を販売開始した。従来は顧客が「ALog」ソフトウェアライセンス及び「ALog」用のサーバを購入し、顧客自身が「ALog」を運用してログ管理を行っていた。そのため、「ALog」はシステム運用スキルを持つ大手企業が主要な販売領域になっていた。一方、「ALog クラウド版」はインターネット上のSaaSとして提供されるため、顧客によるサーバの購入やシステム運用の必要がなく、準大手・中堅・中小企業でも導入しやすい。大手企業を中心に既に「ALog」は導入が寡占化されているため、同社では「ALog クラウド版」を企業数が多い準大手・中堅・中小企業に向けて販売を強化する方針である。今後は製品競争力の高まりに加え、市場シェア拡大が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<EY>
2. 事業セグメント
(1) データセキュリティ事業
データセキュリティ事業は、国内外6,000以上の契約実績(累計)があるログマネジメントサービス「ALogシリーズ」を中心に展開している。ログはファイルサーバだけでなく、ほかのサーバやネットワーク機器のログまで広範囲に管理できるため、内部不正対策やサイバー攻撃対策、障害原因の追究、ワークスタイルの変革などの課題解決に活用される。ログは、監視カメラと同じように事件後の追跡素材や証拠資料として重要な役割を担う。たとえば社内関係者によるデータ持ち出しの監視、外部からのサイバー攻撃検知、テレワーク下での労務管理など、あらゆる企業運営に関わる挙動に対してログを活用することができる。独自のログ翻訳変換技術と人工知能(AI)の不正予兆検知により、専門知識やノウハウがなくとも高度なログ活用を実現できる。
同事業で販売する製品は、富士通<6702>、デル・テクノロジーズ(株)などのサーバに付帯するセキュリティソフトウェアである。そのため、ハードベンダーまたはそれらを再販売するディストリビュータ(流通業者)などが主な販売代理店となっており、販売代理店を経由した間接販売が中心の事業である。いずれも顧客は大手企業であるため、債権回収リスクの低減にもつながっている。
売上高は、2024年4月からライセンス売切り型からサブスク型へ全面移行したことから年間契約による月額利用料が定期かつ継続的に発生する。主な売上原価は開発費、保守サポート要員の労務費、外部委託費である。料金体系をサブスク型に変更することで収益構造の転換を図るほか、教育事業等の新規事業も加わり、2025年12月期までにデータセキュリティ事業にてARR20.6億円を目指す方針である。
従来の「ALog」は、主に情報漏洩など内部不正抑止のためのログ管理製品であった。重要データが格納される大規模なファイルサーバやストレージサーバの操作を記録し、誰がいつどこでファイルを編集・削除・持ち出ししたのかを分析することで、社内において情報漏洩を監視・抑制できる。しかし最近では、企業の情報システムを構成するあらゆるサーバ、ネットワーク機器、セキュリティ機器等からログを取得し、外部からのサイバー攻撃を検知し、侵入経路や被害範囲を追跡するSIEM製品として主に活用されている。特長は、複雑なログを分かりやすく視認できるものに分析変換する加工技術である。他社製品の多くは大量かつ複雑なログをそのまま記録保管するのみだが、「ALogシリーズ」は、それを見える化する解析処理技術を有している。該当するログが分かりやすくなるため、有事の際には即時検知に役立てることができる。また、複雑な設計を要さないようにあらかじめ設計済みのテンプレートを標準提供しており、サイバー攻撃検知やテレワーク下での勤怠管理などが簡単にログで実現できる。従来のログ管理製品は、大量かつ複雑なログを効果的に活用できずにいたが、同社ではログの整理化、意味付け、活用方法を展開したテンプレートを標準付帯として提供している。さらにAI搭載により不審・不穏な挙動を過去のログから自動判定する機能もあり、事後追跡としてのログの活用から、予兆検知による不正の未然防止として利用できる。
2023年2月28日には、ログ管理製品「ALog」がクラウド対応したSaaS版「ALog クラウド版」を販売開始した。従来は顧客が「ALog」ソフトウェアライセンス及び「ALog」用のサーバを購入し、顧客自身が「ALog」を運用してログ管理を行っていた。そのため、「ALog」はシステム運用スキルを持つ大手企業が主要な販売領域になっていた。一方、「ALog クラウド版」はインターネット上のSaaSとして提供されるため、顧客によるサーバの購入やシステム運用の必要がなく、準大手・中堅・中小企業でも導入しやすい。大手企業を中心に既に「ALog」は導入が寡占化されているため、同社では「ALog クラウド版」を企業数が多い準大手・中堅・中小企業に向けて販売を強化する方針である。今後は製品競争力の高まりに加え、市場シェア拡大が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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