国内株式市場見通し:原油価格の落ち着き見極めたい、日経平均は13週線との攻防もカギ
*16:16JST 国内株式市場見通し:原油価格の落ち着き見極めたい、日経平均は13週線との攻防もカギ
■イスラエルと米国のイラン攻撃開始で地政学的リスク高まる
今週の日経平均は先週末比3229.43円安(-5.5%)の55620.84円で取引を終了した。先週末にイスラエルと米国がイランにミサイル攻撃を開始し、中東の地政学的リスクが顕在化した。週初は売りが先行したものの、早期収束への期待感も高かったとみられ、下げ幅は限定的にとどまった。ただ、ホルムズ海峡の実質的な封鎖などによって原油価格が急伸し、翌日の日経平均は25年4月7日以来の大幅安に見舞われる。交戦の長期化なども意識される形となってリスク回避の動きが継続、翌4日には株価の下落幅が一段と広がる状況になった。
週後半にかけては、自律反発狙いの買いが優勢となる場面も見受けられた。原油相場の上昇一服に加えて、イランの情報機関が米中央情報局(CIA)と間接的に接触などとも伝わり、早期収束への期待も高まる形となったようだ。なお、週末にかけても続伸となったが、AI・半導体関連株の動きが鈍く、週内安値からの戻りは限定的にとどまっている。
2月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を7454億円買い越したほか、先物も9880億円買い越し、合計1兆7334億円の買い越しで、4週連続の買い越しとなっている。個人投資家は現物を4147億円売り越すなど、合計で4415億円売り越した。ほか、信託が計9825億円の売り越し、投信も計3175億円の売り越しとなった。
■目先は原油価格の動向に神経質な展開へ
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比453.19ドル安の47501.55ドル、ナスダックは同361.31ポイント安の22387.68で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比1710円安の54020円。雇用者数の予想外の減少や失業率上昇など、雇用統計の弱い結果を受けて景気減速懸念が強まった。また、中東紛争激化を背景に原油価格が急騰、23年来の高値を更新したことも売りに拍車をかけた。
今週のNYダウは週間で3.0%安だった一方、週末のナイト・セッションでの日経平均先物54020円は先週末比で7.9%下落した水準にあり、相対的に足下での日経平均の下落率は大きくなっている状況。ボラティリティーの上昇に軟弱な面が残っていることもあるが、原油の輸入依存が高い日本にとって、原油の供給不安は深刻な影響を及ぼしかねない。今後も日本株は原油価格の動向に神経質な展開を余儀なくされよう。ただ、「安定した政権基盤」が他国と比べて強みとなっており、グローバル資金の流入余地は大きい。イラン情勢への過度な警戒感が後退してくれば、その分、リバウンドも大きくなろう。
今週の大幅下落によって、日経平均は25日移動平均線を明確に下回ったが、昨年11月、12月に同線を割り込んだ際は早期に株価が回復している。今回も13週移動平均線は下値支持線として機能しており、トレンドが転換したと言える状況ではないだろう。来週はあらためて、同線での下げ止まりの有無が焦点となる。原油価格の動向を横目で睨みながらとなるが、同線での支持が確認できれば、その後は、19日の日米首脳会談を控え、期待感が高まりやすくなる状況にはあると言える。
■米国の半導体輸出規制の行方などもリスク要因に
イラン有事の長期化による最大のリスクは原油価格の動向となるが、それは、ホルムズ海峡の事実上の封鎖状態がどれだけ続くかにもかかっていよう。ただ、ホルムズ海峡封鎖に関しては、イランと友好関係にある中国が不満を抱いているとされており、この部分との兼ね合いが図られる可能性があるのか注視したい。ほか、米国の半導体輸出規制案も当面のリスク要因として浮上してきている。提案されている規制では、エヌビディアやAMDなどが製造するAIアクセラレーターのほぼすべての輸出について、米国の許可取得を企業に義務付ける内容となる見通しのようだ。仮に実施された場合、米半導体株への悪影響、他国からの対抗的な規制措置などが想定されることになる。
来週は11日の米消費者物価指数(CPI)などが、追加利下げのタイミングを計る上で注目される。ただ、インフレにつながる原油価格の動向が読み切れないため、影響の度合いは限定的となろう。ほか、10日には米オラクルが決算発表を予定しており、ハイパースケーラーやデータセンター関連株などの注目材料となろう。波乱がなければ安心感につながる余地もあろう。国内では週末にメジャーSQを控え、今週の国内株式市場の波乱がどのような影響を与えるか、株式市場の先高期待が短期的に再燃しない限り、徐々に様子見姿勢が強まる可能性もある。
■11日に米消費者物価が発表予定
来週、国内では、9日に1月毎月勤労統計調査、1月経常収支、1月景気動向指数、2月景気ウォッチャー調査、10日に10-12月期GDP(改定値)、1月家計調査、2月マネーストック、2月工作機械受注、11日に2月国内企業物価指数、12日に1-3月期法人企業景気予測調査、2月都心オフィス空室率などが発表予定。なお、13日はメジャーSQの算出日となる。
海外では、9日に中・2月生産者物価・消費者物価指数、10日に中・2月貿易収支、独・1月輸出入、米・2月中古住宅販売件数、11日に米・2月消費者物価指数、2月財政収支、12日に米・1月貿易収支、1月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、13日に欧・1月鉱工業生産、米・10-12月期GDP(改定値)、1月個人所得・個人支出・デフレーター、1月耐久財受注、1月JOLTS求人件数、3月ミシガン大学消費者マインド指数などが発表予定。
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今週の日経平均は先週末比3229.43円安(-5.5%)の55620.84円で取引を終了した。先週末にイスラエルと米国がイランにミサイル攻撃を開始し、中東の地政学的リスクが顕在化した。週初は売りが先行したものの、早期収束への期待感も高かったとみられ、下げ幅は限定的にとどまった。ただ、ホルムズ海峡の実質的な封鎖などによって原油価格が急伸し、翌日の日経平均は25年4月7日以来の大幅安に見舞われる。交戦の長期化なども意識される形となってリスク回避の動きが継続、翌4日には株価の下落幅が一段と広がる状況になった。
週後半にかけては、自律反発狙いの買いが優勢となる場面も見受けられた。原油相場の上昇一服に加えて、イランの情報機関が米中央情報局(CIA)と間接的に接触などとも伝わり、早期収束への期待も高まる形となったようだ。なお、週末にかけても続伸となったが、AI・半導体関連株の動きが鈍く、週内安値からの戻りは限定的にとどまっている。
2月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を7454億円買い越したほか、先物も9880億円買い越し、合計1兆7334億円の買い越しで、4週連続の買い越しとなっている。個人投資家は現物を4147億円売り越すなど、合計で4415億円売り越した。ほか、信託が計9825億円の売り越し、投信も計3175億円の売り越しとなった。
■目先は原油価格の動向に神経質な展開へ
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比453.19ドル安の47501.55ドル、ナスダックは同361.31ポイント安の22387.68で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比1710円安の54020円。雇用者数の予想外の減少や失業率上昇など、雇用統計の弱い結果を受けて景気減速懸念が強まった。また、中東紛争激化を背景に原油価格が急騰、23年来の高値を更新したことも売りに拍車をかけた。
今週のNYダウは週間で3.0%安だった一方、週末のナイト・セッションでの日経平均先物54020円は先週末比で7.9%下落した水準にあり、相対的に足下での日経平均の下落率は大きくなっている状況。ボラティリティーの上昇に軟弱な面が残っていることもあるが、原油の輸入依存が高い日本にとって、原油の供給不安は深刻な影響を及ぼしかねない。今後も日本株は原油価格の動向に神経質な展開を余儀なくされよう。ただ、「安定した政権基盤」が他国と比べて強みとなっており、グローバル資金の流入余地は大きい。イラン情勢への過度な警戒感が後退してくれば、その分、リバウンドも大きくなろう。
今週の大幅下落によって、日経平均は25日移動平均線を明確に下回ったが、昨年11月、12月に同線を割り込んだ際は早期に株価が回復している。今回も13週移動平均線は下値支持線として機能しており、トレンドが転換したと言える状況ではないだろう。来週はあらためて、同線での下げ止まりの有無が焦点となる。原油価格の動向を横目で睨みながらとなるが、同線での支持が確認できれば、その後は、19日の日米首脳会談を控え、期待感が高まりやすくなる状況にはあると言える。
■米国の半導体輸出規制の行方などもリスク要因に
イラン有事の長期化による最大のリスクは原油価格の動向となるが、それは、ホルムズ海峡の事実上の封鎖状態がどれだけ続くかにもかかっていよう。ただ、ホルムズ海峡封鎖に関しては、イランと友好関係にある中国が不満を抱いているとされており、この部分との兼ね合いが図られる可能性があるのか注視したい。ほか、米国の半導体輸出規制案も当面のリスク要因として浮上してきている。提案されている規制では、エヌビディアやAMDなどが製造するAIアクセラレーターのほぼすべての輸出について、米国の許可取得を企業に義務付ける内容となる見通しのようだ。仮に実施された場合、米半導体株への悪影響、他国からの対抗的な規制措置などが想定されることになる。
来週は11日の米消費者物価指数(CPI)などが、追加利下げのタイミングを計る上で注目される。ただ、インフレにつながる原油価格の動向が読み切れないため、影響の度合いは限定的となろう。ほか、10日には米オラクルが決算発表を予定しており、ハイパースケーラーやデータセンター関連株などの注目材料となろう。波乱がなければ安心感につながる余地もあろう。国内では週末にメジャーSQを控え、今週の国内株式市場の波乱がどのような影響を与えるか、株式市場の先高期待が短期的に再燃しない限り、徐々に様子見姿勢が強まる可能性もある。
■11日に米消費者物価が発表予定
来週、国内では、9日に1月毎月勤労統計調査、1月経常収支、1月景気動向指数、2月景気ウォッチャー調査、10日に10-12月期GDP(改定値)、1月家計調査、2月マネーストック、2月工作機械受注、11日に2月国内企業物価指数、12日に1-3月期法人企業景気予測調査、2月都心オフィス空室率などが発表予定。なお、13日はメジャーSQの算出日となる。
海外では、9日に中・2月生産者物価・消費者物価指数、10日に中・2月貿易収支、独・1月輸出入、米・2月中古住宅販売件数、11日に米・2月消費者物価指数、2月財政収支、12日に米・1月貿易収支、1月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、13日に欧・1月鉱工業生産、米・10-12月期GDP(改定値)、1月個人所得・個人支出・デフレーター、1月耐久財受注、1月JOLTS求人件数、3月ミシガン大学消費者マインド指数などが発表予定。
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