カバー、3Qは増収増益、粗利率は直近3年で最高水準 TCGとライセンス/タイアップ分野が成長を牽引し増益基調維持
2026年3月期Q3 経営評価とサマリー

谷郷元昭氏(以下、谷郷):代表取締役社長CEOの谷郷です。みなさま、本日は当社決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。本日の進行は、2026年3月期第3四半期決算概況、サービス分野別の事業展開、中期目標の達成に向けた今期施策の進捗の順にご説明します。
まず初めに経営評価とサマリーです。2026年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比9.9パーセント増の約129億円、売上総利益が同19.4パーセント増の約70億円、営業利益が同17.9パーセント増の約26億円、純利益が同16.3パーセント増の約19億円となりました。
売上成長は1桁台にとどまったものの、利益面では原価構造および販管費効率の改善を背景に、増益基調を維持しています。タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景に、配信およびEC収益の推移やタレント別トラフィック構成比では引き続き調整局面が見られました。
一方で、トレーディングカードやライセンス/タイアップ分野は好調を維持しており、営業利益のモメンタムとしては構造的な改善が進んだ四半期だったと認識しています。当社は、現在の事業環境を中長期的な成長を持続させるための事業構造を立て直す局面と位置づけています。
続いて、事業進展についてご説明します。第3四半期は、年末年始企画によるトラフィック増加や新規タレントによるオフラインおよびオンラインライブ企画の好調を背景に、配信/コンテンツ分野およびライブ/イベント分野が前四半期比で増収となりました。
マーチャンダイジング分野では、大会運営や流通拡大を通じたトレーディングカード分野の成長に加え、海外送料の固定化やライセンス商品の一部を自社ECで販売する施策により、EC売上のキャッチアップが進展しました。これにより、前年同期比で大幅な増収基調となっています。
ライセンス/タイアップ分野では、海外を中心とした取引社数の拡大や、国内外でのタイアップ先企業の多様化が進みました。また、年末のオンラインライブや大型イベントにおけるスポンサータイアップの拡大が、構造的な成長を後押ししています。
最後に、投資進捗などについてご説明します。来年度以降を見据えたタレントオーディションの準備が複数ラインで進行中です。また、「FLOW GLOW」の3Dライブを通じて、アーティストを中心としたタレント育成および3D表現力の向上が着実に進みました。
加えて、顧客のブランド接触点拡大につながる大型スマホゲームプロジェクト「hololive Dreams」について、全世界同時リリース予定を公表しました。
また、「Twitch」や「The Game Awards」との公式コラボレーションを通じて、海外市場におけるゲーム文脈での潜在ファンとの接触頻度も増加しています。物流面では、物流改善の進展により販管費の効率化が着実に進んでいます。引き続き、中長期的な成長に向けた基盤整備と収益構造の改善を両立させていく方針です。
決算ハイライト 2026年3月期Q3のサマリー

第3四半期の業績は、スライドの表のとおりです。第3四半期は、ライブ/イベント分野で新興タレントへの露出機会の提供を優先した結果、同分野の収益が調整局面となりました。一方で、トレーディングカードゲームやライセンス/タイアップ分野は引き続き好調に推移し、全体としては増収増益で着地しました。
EC収益は引き続き回復途上にあるものの、TCG(トレーディングカードゲーム)およびライセンス/タイアップ分野では海外市場を中心に取引拡大が進み、利益成長を下支えしました。また、経営構造改革および事業開発の各種施策の進展により、販管費の増加は想定よりも抑制的に推移しています。
第4四半期にかけての展開としては、スライド右側に記載のとおりです。まず配信/コンテンツ分野では、年始の配信コンテンツを皮切りに、大型ライブコンサートと連動した楽曲リリースなどが続くことで、コンテンツ全体のモメンタム形成を見込んでいます。
ライブ/イベント分野では、「hololive 3rd Generation Live」や「Hoshimachi Suisei Live “SuperNova: REBOOT”」といった人気タレントによるアリーナクラスの大型ライブが相次ぐほか、開催日程を例年より拡大した「hololive SUPER EXPO 2026&hololive 7th fes.」を予定しています。
また、海外ではロサンゼルスで「Takanashi Kiara / Ninomae Ina'nis 1st Concert」を開催するなど、海外市場を視野に入れた展開も進めていきます。
マーチャンダイジング分野では、ECが回復途上にある一方で、引き続きTCGビジネスが堅調に推移すると想定しています。大型イベントの連続開催を背景に、小売およびECの各チャネルでの販売拡大を見込み、ECの客数増加にもつなげていく方針です。
ライセンス/タイアップ分野では、例年第4四半期に収益のピークを迎える季節性に加え、海外クライアントとの取引件数増加やゲーム分野での収益拡大を見込んでいます。
売上・売上総利益の推移

金子陽亮氏(以下、金子):取締役CFOの金子です。ここからは、各P/L項目の推移について詳しくご説明します。
まず、売上および売上総利益の推移はスライドのとおりです。第3四半期の売上高は、マーチャンダイジングおよびライセンス/タイアップ分野の堅調な推移を背景に、前年同期比9.9パーセント増まで拡大しました。
ライブ/イベント分野では、新規タレントへの露出機会の提供を重視した運営により、昨年対比で一時的な収益調整が見られたものの、全体としては増収基調を維持しています。
一方、売上総利益については、第2四半期に計上した商品評価減の反動に加え、楽曲や過去ライブコンテンツといったセット型収益の積み上がりによるセールスミックスの改善があり、粗利率は直近3年で最高水準を記録しています。
その結果、売上総利益は前年同期比で19.4パーセント増と、売上成長を上回るペースで成長しています。
売上原価・販管費の推移

売上原価および販管費の推移です。売上原価については、第2四半期に商品評価減を計上したことの反動に加え、先ほどご説明したセールスミックスの改善や調達改善、コンテンツ制作効率の向上といった施策の進展により、第2四半期比で減少しています。
特に、過去のライブコンテンツや楽曲といったアセット型収益の比率が高まったことで、原価率は改善傾向にあり、原価構造は着実に健全化しています。
販管費については、自社物流費の増加を伴わない小売店の販路売上の拡大に加え、物流効率化施策を継続的に実行した結果、マーチャンダイジング売上の増加に対する倉庫関連販管費の増加は限定的な水準にとどまりました。
販管費率は引き続きコントロールされた水準で推移しており、販売規模の拡大と費用効率の改善を両立できていると評価しています。
限界利益・営業利益の推移

限界利益および営業利益の推移です。限界利益については、第2四半期に計上した商品評価減の反動に加え、先ほどご説明した原価効率の改善により、限界利益率が上昇しています。
売上成長に加え、アセット型収益の比率上昇や調達施策効率の改善が寄与し、収益構造の改善が確認できる四半期となりました。
営業利益については、表現技術やソフトウェア開発、物流改善、海外事業開発などに関する先行投資的支出を計画どおり継続的に実行しているものの、四半期営業利益率は20パーセント程度を確保しています。
今後は既存の効率化施策に加え、ライセンスおよびゲーム分野での収益顕在化を通じ、持続的な収益性向上を図っていきます。
今期業績の進捗および足許の事業運営上の論点

今期の業績は、関税政策など外部環境やプロダクトミックスの変化の影響を受けつつ推移しています。当社の業績には季節性があり、大型イベントによるモメンタムの向上などから、毎年第4四半期の業績が最も大きくなる構造になっています。
現時点では、この季節性を踏まえつつ、通期業績の予想見通しを据え置いています。一方で、足元では中長期的な成長に向けて、業務プロセスの改善や検討領域の再整備を進めています。その過程で一時的なコストを計上する可能性もありますが、これは将来の持続的な成長を見据えた対応と位置づけています。
具体的な検討領域として、まず商品在庫については、2023年から2024年にかけてのSKU拡大期に生産された過去商品を中心に、市場環境の変化に伴う需給バランスの変動が一部で生じています。現在、商品ポートフォリオ全体の回転率、供給計画、販売計画の整合性について精査を進めています。
また、開発投資に関しては、中長期的な成長を目指したソフトウェア開発投資について、市場環境や優先順位の変化を踏まえ、投資規模、進め方、スケジュールの再整理を行っています。
経営としては、不確実性の高い領域について、投資効率と事業の持続性を重視した運営を行い、判断に必要な前提条件が整理され次第、適切なタイミングで経営判断を行う方針です。
事業分野別の進展 配信/コンテンツ

谷郷:サービス分野別の事業展開についてご説明します。まず、配信/コンテンツ分野の進展についてです。
第3四半期は、年末休暇期間における視聴者数の増加や、新規タレントによるコンテンツの盛り上がりを背景に、配信/コンテンツ分野の収益が回復基調となりました。特に、年末年始に実施したカウントダウンライブなどの大型配信企画は多くの視聴者を集め、コンテンツ全体の勢いを形成する一因となっています。
また、2024年にデビューした「FLOW GLOW」による初のオンライン3Dライブでは、アーティストとしてのパフォーマンスの完成度に加え、当社の表現技術や運用面での向上も注目されました。
このような取り組みにより、タレントが表現したいものを、より高い完成度で届ける環境作りが進んでいます。
事業分野別の進展 ライブ/イベント

ライブ/イベント分野の進展についてご説明します。第3四半期にはアリーナ級の大型会場で国内ライブコンサートを3本実施し、継続中の海外ワールドツアーでも複数の公演を行いました。各公演ではタレントそれぞれの表現や世界観を重視した演出を施し、ライブ体験の質を高める取り組みを進めています。
また、過去に実施したライブコンサートでは、Blu-ray販売などのアセット型収益が引き続き好調に推移しており、ライブ体験を長期的に楽しんでいただけるかたちでの価値提供が進んでいます。
このような取り組みにより、単発のイベントにとどまらず、ライブ/イベント分野全体としてタレントそれぞれの表現や世界観を丁寧に届ける努力を積み重ねた四半期であったと考えています。
事業分野別の進展 マーチャンダイジング

マーチャンダイジング分野の進展についてご説明します。第3四半期は、EC収益や海外関税の影響を受けて引き続き回復途上にありますが、海外販売地域の拡大や海外送料の固定化といった利便性改善施策の効果が徐々に顕在化しています。
また、トレーディングカードゲーム分野は引き続き堅調に推移しており、マーチャンダイジング全体の収益を下支えしています。あわせて、一部ライセンス商品の自社ECでの販売を開始するなど、公式ECサイトを起点とした多面的な動線作りにも取り組んでいます。
これにより、従来の販売チャネルに加えて、ファンのみなさまが利用しやすいかたちで商品に触れる機会の拡大を進めています。今後もECおよび小売の双方において、利便性や体験価値の向上を通じた需要の底上げを図り、マーチャンダイジング分野の持続的な成長を目指していきます。
マーチャンダイジング Q3におけるカード施策

カード関連施策の取り組みについてご説明します。マーチャンダイジング分野の中でもトレーディングカードゲームでは、年間を通じた施策運営を背景に、プレイヤー層の拡大が継続しています。
第3四半期には、10月に「エクストリーマーカップ」、11月に「World Grand Prix」といった大会規模やプレイスタイルに応じた大型大会施策を実施しました。
これらの取り組みにより、競技志向のプレイヤーからイベントをきっかけに参加する層まで、幅広いプレイヤーが参加しやすい環境作りを進めています。このような大会運営を通じて、コミュニティ全体の盛り上がりや継続的なプレイ体験の醸成につながっています。
その結果、新規商品の売上は引き続き好調に推移しており、カード分野全体としては安定した成長基調を維持しています。今後も、プレイヤー体験を重視した施策運営を軸に、カード事業の健全な拡大を図っていきます。
事業分野別の進展 ライセンス/タイアップ

ライセンス/タイアップ分野の進展についてご説明します。第3四半期は案件規模の拡大および取引社数の増加を背景に、ライセンス/タイアップ収益が過年度比で引き続き拡大しました。特に国内外での取引先が広がったことで、四半期ごとの変動はあるものの、安定した収益成長が継続しています。
個別の取り組みとしては、「hololive production COUNTDOWN LIVE」においてグローバルブランドとの協賛が実現するなど、大型コンテンツと親和性の高いタイアップが進展しました。
また、フィギュアを中心としたライセンス商品の売上が引き続き好調に推移しており、ライセンシー各社におけるブランド別人気でも上位に位置しています。このほか、海外では現地企業との連携を通じた取り組みが広がり、ライセンス/タイアップ分野全体として裾野の拡大が進んだ四半期であったと考えています。
中期目標の達成に向けた事業拡大の進捗状況

中期目標達成に向けた今期施策の進捗についてです。このスライドでは、中期目標達成に向けた事業拡大の進捗状況について要点を絞ってご説明します。
まず、「共創によるコンテンツ供給の強化」についてですが、事業規模の拡大を背景に、タレントの活動支援と持続可能なプロダクション運営を目指し、創作環境やファン体験を起点とした制作および運営オペレーションの強化を進めています。
また、次世代を担う才能の発掘・育成を推進するとともに、既存タレントの稼働が一部に集中しないように、新規タレントオーディションを複数ラインで実施しています。さらに、制作技術やスタジオ運用の改善を通じて、コンテンツの品質向上と制作効率の改善が進展しています。
「グローバル収益基盤の確立」については、「Twitch」や「The Game Awards」との公式コラボレーションを通じて、海外のゲーム関連市場での露出が拡大しました。
また、国内外における物流オペレーションの効率化を進めるとともに、海外送料の固定化などを通じて、ECでの購入体験の改善に取り組んでいます。さらに、海外地域でのBtoB取引社数も前四半期比で拡大しており、グローバルな取引基盤の拡張が着実に進んでいます。
「新規事業領域の収益拡大」に向けては、新しい公式ファンクラブ「hololive FANCLUB」を10月にリリースしたほか、ファンIDプロダクトである「ホロライブアカウント」のリニューアルを実施し、ID登録者数は100万人を突破しました。
また、次世代のブランド接点となることが期待されるスマホゲーム「hololive Dreams」についても、グローバルリリースに向けた開発体制や全体像を発表しています。
最後に、「人的資本の高度活用」では、来期に向けた体制や評価制度の見直しを進めるとともに、部門横断での連携を促進する仕組み作りに取り組んでいます。
以上のように、短期の施策と並行して、中長期に向けた基盤整備も計画どおり進んでいます。
実施中のオーディションについて

現在実施しているオーディションの取り組みについてご説明します。当社では日本語圏、英語圏、そして「NEW PROJECT」の3つのカテゴリでオーディションを進めており、再現性のある才能の発掘と育成を目的としています。
また、タレント数の拡充を通じて既存タレントへの稼働集中を緩和し、持続可能なプロダクション運営につなげていく考えです。
まず、常設オーディションについてです。「ホロライブプロダクション」では、継続的な新規タレントの発掘を目的として、多様な表現志向を持つ方が、配信活動に限らず挑戦できるような設計となっています。
オーディション通過後は、すぐにデビューするのではなく、段階的な育成プロセスを経てデビューに向けた準備を進めます。
次に「NEW PROJECT」オーディションについてです。こちらは従来の枠組みにとらわれない新たなプロジェクトとして位置づけられ、まずはプロジェクト活動を通じて経験を積むかたちを取っています。
その中で、活動を通じて一定の成果を収めた場合には、「ホロライブプロダクション」への所属や特定分野に特化した専門組織へのデビューを想定しています。
このように、中長期的な人材育成と事業成長を見据えた取り組みとして、オーディション施策を計画的に進めています。
海外におけるブランド接触頻度の向上について

海外におけるブランド接触頻度の向上に向けた取り組みについてご説明します。まず、ゲーム文脈を通じた接点拡大についてです。「Twitch」および「The Game Awards」との公式コラボレーションを実施し、ゲーム文脈を起点とした海外地域の潜在ファンとの接触機会を拡大しました。
「Twitch」では、公式コラボレーション施策を通じて5,000万回以上のインプレッションを獲得し、約25万人規模の新規フォロワー増加につながっています。
また、「The Game Awards」では公式のCo-streaming Partnerとして参加し、10名以上のタレントがミラー配信を実施しました。関連SNS投稿の総インプレッション数は約300万回に達しています。
次に、ライブコンサートを通じた取り組みについてご説明します。2025年7月から2026年2月にかけて実施している「World Tour '25」では、世界7都市で公演を行い、現地ファンとの直接的な接点を継続的に創出しています。
加えて、インドネシアでは「hololive Indonesia 5th Anniversary LIVE」を開催しており、現地イベントとも連動するかたちで地域コミュニティとの関係構築を進めています。
このように、オンラインとオフラインの施策を組み合わせることで、各地域において継続的なブランド接触とファンとの関係構築を進めています。
先行投資的支出に係る進捗状況 ゲーム/ホロアース

先行投資的支出に関する取り組みとして、ゲームおよび「ホロアース」の進捗についてご説明します。
まず、ゲーム分野についてです。大型公式スマホゲーム「hololive Dreams」については、当四半期に概要を発表しました。本タイトルは、ゲームを通じてファンとの接点をさらに拡張することを目的とした取り組みです。
開発は外部パートナーと共同で進めており、2026年に全世界同時リリースを予定しています。「ホロライブ」初の公式スマートフォンゲームとして、総勢50名以上の所属タレントが登場する設計となっており、収録楽曲数も150曲を超える規模を想定しています。
情報解禁時には、配信視聴で約5万人規模の同時接続が発生したほか、Xへの情報解禁映像も累計で1,000万回再生を超えるなど、国内外で非常に大きな反響を得ています。
次に「ホロアース」についてです。「ホロアース」ではバーチャルライブコンサート「ねぽらぼライブ re:VISION」を実施し、バーチャル空間内でのライブ体験の検証を行いました。
本ライブでは「ホロアース」上でアバターとして参加し、VTuberタレントと同じ空間を共有するかたちでの体験を提供しています。これは従来の配信仕様とは異なる参加型のライブ体験です。
また、ライブ収録後に「3Dアーカイブ」としての使用も可能とするなど、体験価値の拡張についても検証を進めています。
経営構造改革その他の進捗

経営構造改革などに関する第3四半期時点での主な取り組みについてのご報告です。まず、人事制度および組織体制の見直しについてです。
来期に向けた組織体制や評価制度に関する改善企画が進捗しており、機能別の組織運営を前提としつつ、部門内でのサイロ化を防ぎ、部門横断での連携を促す体制作りを進めています。これにより、組織全体としての意思決定や連携の質を高めていくことを目指しています。
次に、タレントサポートの強化についてです。簡易モーションキャプチャー・スタジオの運用拡充により、機動的な3Dコンテンツ制作の環境整備を行っています。また、タレント稼働集中の分散に関する仕組みの強化を企画・検討中です。
続いて、コスト最適化についてです。物流および調達分野のコストガバナンスが改善しているほか、スタジオ運用においてもオペレーションの効率化が進行中です。これにより、コンテンツ制作のクオリティ向上とコスト削減を両立する取り組みを進めています。
最後に、プロジェクト・ガバナンスの強化についてです。予算統制における配賦ルールや内部取引ルールの見直しを進めており、部門横断型の大型プロジェクト運営における非効率の改善に取り組んでいます。
今後は、全体戦略との整合性をさらに重視したプロジェクト運営を通じて、リソース配分の最適化を図っていきます。
第3四半期においては、事業成長を支える経営基盤の整備についても計画に沿って着実に進捗しています。
質疑応答:在庫評価減の規模感ついて

質問者:第4四半期に費用計上のリスクについて記載があります。
2023年から2024年にかけての過去商品について、在庫評価減を検討しているという内容かと思いますが、同じ理由で第2四半期にも5億5,000万円の評価減が発生していたかと思います。
現時点の在庫状況の中、新たに費用が発生した場合のインパクトが大きいのかどうか、可能であればその規模感について教えてください。
金子:規模感などについては、現在精査中の状況です。商品ポートフォリオ全体の回転供給販売計画との整合性を検討していますが、SKUごとに状況が異なるところがあります。それに応じて費用が発生する可能性はありますが、現時点では精査中というのが実情です。
質疑応答:「共創によるコンテンツ供給の強化」の進捗について

質問者:事業拡大の進捗状況についてです。スライドの一番上に記載されている「共創によるコンテンツ供給の強化」の項目ですが、内容を見る限り進捗は良好であると理解しましたが、「△」となっています。
確か前回の資料では「◯」として記載されていたと思います。この3ヶ月でどのような変化があったのか教えてください。
金子:事業規模の拡大を背景に、タレントの活動支援と持続可能なプロダクション運営の両立を図る中で、例えばタレントごとの稼働管理や、会社が提供する音楽制作・ライブコンサート制作サービスの多面化において、オペレーションに関するご指摘やご意見などをいただいています。
これについて会社として真摯に受け止め、改善を図っていきたいと考えています。そのため、「△」としています。ご認識のとおり期初に掲げているテーマ全体に関する各種施策自体は進捗している一方で、現在の課題感を踏まえて見直しを行っていきます。
質疑応答:タレントのフォロー状況について
質問者:タレントのフォローの状況についてです。昨年4月から経営体制が強化され、タレントとのコミュニケーションも強化されているかと思います。
ただ、直近12月に卒業したVTuberの配信を見ると「なかなか負担の改善が進まなかった」のようなコメントも見られ、現在の状況が把握しづらい印象です。経営体制を変更してから1年弱が経過した取り組みの振り返りや、手応え、課題感など、もしあれば教えていただけますでしょうか?
谷郷:これはご説明が難しいですが、卒業されたVTuberの方に関しては、卒業発表のタイミングよりもかなり前に問題が発生していました。そして、今期はそれらの問題の改善に取り組んでいることはこれまでお伝えしているとおりです。
卒業のタイミングで「このようなことがあったから卒業」のようなかたちになると、その問題が解決されていないという印象を与えてしまう面もあるかと思いますが、実態として改善は着実に進めています。一方で、まだまだ会社起因のエラーが発生しているのも事実であり、当社として事実を受け止めた上で、引き続き改善する取り組みを進めていきます。
質疑応答:モバイルアプリゲームのローンチ初動と業績への期待感について
質問者:ローンチを予定されているモバイルアプリゲームに関して、御社から見た初動の反響について、どのように総括しているのでしょうか? また、今後の業績への期待感について、現状でどのような見解かも可能な範囲でうかがいたいと思います。
金子:SNS上や世間の声として好意的な意見を多くいただいているように見受けられます。ただし、業績への貢献については、当社にとって大型モバイルゲームのローンチは初めての経験となるほか、共同制作というスキーム上も確定的なことをお伝えするのは難しいというのが現状です。
また、来年度の予算において、この業績への寄与を期初の段階で相当程度大きく見込むことは難しく、やや控えめに織り込む必要があると考えています。
一方で、このゲームを通じて、我々のブランドを知っていただける顧客やファンが増えることも願っており、その効果を中長期的に期待していきたいと考えています。
質疑応答:全社の販管費の進捗とその総括について
質問者:全社の販管費についてです。御社の計画対比という観点で、どのような進捗があったのでしょうか? 項目別に見ると、倉庫販管費は適正化されている一方で、前年対比でその他の部分が増加しています。その点を踏まえ、どのような総括になっているのかコメントいただけると幸いです。
金子:その他については、テクニカルな一時的費用が多い状況で、多項目がひとまとまりとなり、その他として大きめのカテゴリを形成しているのが実態です。
倉庫販管費については戦略的に圧縮を行いつつ、人員固定費は社内異動などにより効率化する方向で進めています。そのような意図的な構造改革や構造変化の部分は、数字として着実に進行している状況かと思います。
質疑応答:在庫リスクの背景と今後の対策について
質問者:在庫の問題が出ており、将来的にも損失が発生するリスクがあるというお話が先ほどありました。この背景について、どのように考えるべきか教えてください。
一般的に、キャラクター性が強く希少性の高いアイテムでは在庫リスクはあまりないと認識していますが、御社として何が問題でこのような在庫リスクが発生していると認識されていますか。もう少し詳しく教えてください。
金子:以前、当社のECショップは主に受注販売を行うフラッシュセールサイトとしての性質が強かったのですが、欲しい時に欲しいタレントのグッズを購入できるよう、上場前後の2023年頃を機に、定常的に置く商品の品種を増やしていきました。ただし、その黎明期の商品企画・生産体制では、需要予測の能力が十分ではない部分がありました。その結果、拡大期に生産された一部の商品について、精査が必要なものが出ています。
需要予測の精度については足元で比較的改善され始めています。また、あえてSKU数を戦略的にコントロールし、シーズナル商品やイベントに合わせた商品、さらにはファンやお客さまの体験価値を第一に考えたタイムリーな商品供給を実施する体制へと変化していくことを想定しています。これらの取り組みを併せて、在庫の滞留に対する対策を進めていきます。
質疑応答:中期経営戦略の進捗と運営改善について

質問者:今回の資料で「共創によるコンテンツ供給の強化」の項目が「△」に変わっており、年末に引退された方の配信内容やこのような資料を拝見する中で、外部からは御社の運営改善があまりうまく進んでいないように見受けられます。
まず、問題がどこにあったのかについてお聞かせいただきたいです。属人性に起因するのか、仕組みに問題があるのか、その点に関するコメントをお願いします。
また、改善策を打って現在問題がないということですが、具体的にどのような取り組みを実施されたのか、お教えいただけますでしょうか?
谷郷:先程の回答に加えてお伝えしますと、まず業務が多岐にわたっている点が挙げられると思います。例えば、音楽事業を例にすると、他社の場合、音楽制作についてはレーベルと共同で取り組むことが多く、社内で制作業務を抱えない方針を取っているケースがあります。当社では、社内で音楽の制作を実施しています。
これは例えば、コマース、つまりECでの販売についても同様です。当社では最終的に物流業務は外部の物流会社にアウトソースしていますが、その前段階の業務を社内で抱えています。
このような課題に対して、一つひとつエラーを検知した段階で、次回同じ問題が起こらないような対策を講じることが重要だと考えています。
現時点で、すべてを解決できているわけではありませんが、特にプロジェクトをマネジメントする、いわゆるPM(プロジェクトマネージャー)にあたる人材を強化していくことが、今後も非常に重要であると認識しています。
質問者:業務が多岐にわたるようになったことで、それを内製化するか外注するかという切り分けが不完全な部分があり、その状態で業務量が増加し、トラブルが続発したというイメージでよろしいですか?
谷郷:少し違うかもしれません。内製化か外注化かを迷っているというよりは、ほぼ内製化しているために我々起因で発生している問題が相対的に多い、というほうが近いかと思います。
なぜそのような問題が起きるのかですが、例えば当社の場合、ECに関しては海外販売比率が大きいのですが、国内のファンの方にも海外のファンの方にも1つのECサイト上で商品を購入いただくという体制を取っています。また、取り扱う商品やその性質も多岐にわたります。そのため、このような問題も規模の拡大にしたがって発生している側面があります。
質問者:御社としては、内製化のほうがメリットは多いと考えて進めていたところ、規模が急拡大したため対応が遅れてしまったということでよろしいでしょうか?
谷郷:おっしゃるとおりです。そのため、対象をかなり絞ることも重要だと考えています。
金子:我々の業務においては、先程お伝えしたように、例えばライブコンサートの大型化や業務の高度化、さらには今まで着手していなかった新たなジャンルのビジネスを手がけるような業務の多面化が、ここ数年で急速に広がってきた実態があります。
それに対して、オペレーションやガバナンスを漸進的に整備しながら追いつかせている状況です。私たちとしては、多岐にわたる論点を一つひとつ捉え、ミスがあった部分や改善の余地がある部分を会社全体で経験として蓄積し、各分野や部門に広めながら、会社全体の業務品質を引き上げていきたいと考えています。
質疑応答:ソフトウェア関連の評価損リスクと見直しの対象について

質問者:スライドに記載の今後の検討領域について、商品在庫についてはご説明いただきましたが、もう1つのソフトウェア側についてです。
この評価損のリスクをどの程度考えておけばよいのか、あるいはそもそも見直しはどのようなソフトウェアに関することなのかについて教えていただけますか?
金子:ソフトウェア勘定でB/S上に計上している開発資産には、「ホロアース」をはじめプラットフォーム系のソフトウェアや、内製の収益管理システムのようなERPに近いものなども含まれており、現在、全体的な見直しを行っています。
「ホロアース」も単一のパッケージというよりは、複層的なレイヤーでの開発が行われていますが、総合的な優先順位、規模、進め方、スケジュールの再整理を行い、検討していく予定です。
現在も精査中の状況ですので、規模感などについては前提条件が精査され次第、適切なタイミングで決定および開示が行われるかと思います。
質疑応答:人事制度および組織体制の見直しについて

質問者:これまでの質疑内容とかなり重複する内容になりますが、「人事制度および組織体制の見直し」について、あらためて現状でどのあたりに課題があり、どのような改善策を講じようとしている、あるいは講じているのかについて教えてください。
谷郷:多岐にわたる事業の中で事業本部横断の業務がかなり増えてきた背景があります。これにより、例えば本部間の調整コストも大きなものが発生しています。
このような状況を改善するために、本部のとりまとめを進め、本部間の調整コストを削減するなど、やるべきことに注力できる体制を整えていきたいと考えています。
質疑応答:「NEW PROJECT」の位置づけと「ホロライブ」ブランドとの違いについて
質問者:「NEW PROJECT」オーディションあるいは「NEW PROJECT」の位置づけについて教えてください。既存の「ホロライブ」ブランド、または個人的には「hololive DEV_IS」ブランドとの違いが少しつかみきれていない部分があります。その違いや考え、狙いについて教えていただければと思います。
谷郷:基本的には、下部組織と明記しているとおり、従来のようにタレントとしてデビューするというよりも、その前段階でタレントを目指してチャレンジしていただくプロジェクトとして想定しています。
質疑応答:内製化と外注に関する方針およびERPシステムについて
質問者:外注と内製の関連についての質問です。ミュージックレーベルを内製化するのはよくわかりますが、「今、内製しているが、今後外注に変えた方がいいよね」というような議論が行われているのでしょうか?
先ほどのソフトウェアに関するお話で、例えばERPシステムを社内で構築しているとおっしゃっていましたが、これに関連して、コア業務とノンコア業務を明確に分け、最も重視すべき部分に集中しつつ、外注できる部分を外部に依頼するという選択肢もあるのではないかと感じました。
例えば、ソフトウェアやERPなどは、外部のパッケージを導入したほうがコストを抑えられる場合もあるかと思います。そのあたりについてコメントをいただけますでしょうか?
金子:ERPは外注です。もちろん、ゼロからスクラッチでERPを作るのは非常に難易度が高いため、外部の大手企業が提供しているベンダーの製品を導入しています。
質問者:それを導入する際の多少のカスタマイズなどを社内で作業しているということでしょうか?
金子:ベンダーと協力して導入し、運用はどうしても各事業部が社内で行うような状況です。
谷郷:つまり、外注しているのですが、計上がソフトウェア勘定になっているだけということですね。
金子:そのとおりです。このERPの話は、どちらかといえばソフトウェアに関する話です。
質問者:わかりました。では、今後内製から外注へ変更すべきものがある、逆に外注から内製に変えるべきものがあるというようなことは基本的にないということで、そこの方針はかなり明確になっていると理解してよろしいですか?
金子:常に状況によって見直しは行っています。例えば、スタジオの運用に関してですが、私たちはかなり特殊な業務を行っている中で、外部の制作会社と立体的に協力しながらプロセスを進めるというのが基本になっています。
その線引きや、長期契約にするかどうかといった点については、常に模索している状況です。スタジオ運営による3Dコンテンツ制作に限らず、多岐にわたる分野で、より良い運営形態を考えた場合に内製と外注のバランスによって適正化が進む可能性があると考えています。
谷郷:例えばコマースの分野においても、他社ではECサイト運営などを外注している場合があると思います。最終的な利益の観点では内製化したほうが利益を確保できる可能性が高い一方で、発生し得るエラーやリスクを考慮すると外注のほうがよい場合もありますので、外注のラインを変更する可能性はゼロではないと思います。
質疑応答:ソフトウェア開発での外注活用と社内管理のメリットについて
質問者:先ほどのソフトウェアについて追加でお聞きしたいのですが、貴社には協力会社や契約社員の方が常駐されていると思います。社内でプログラム管理をする人を雇うのではなく、外注されているのは、なにかメリットがあるからでしょうか?
金子:実際には、社内の開発チームや外部のベンダーをコントロールするプロジェクトマネージャーと、外部エンジニアを組み合わせるハイブリッドな形態が多いと思います。ただ、外部エンジニアがどれほど優秀でも、当社の内部事情を最も理解しているのは社内の人間ですので、それをつなぐ担当者が必要になると考えています。
また、外部に委託できる部分については、一部外注を検討している状況かと考えています。
質問者:では、デジタルの部分よりもアナログ的な運用の部分が現時点での課題という認識でよろしいですか?
金子:一言ではご説明しづらい部分もありますが、そのようにご理解ください。
質疑応答:先行投資の支出について
質問者:先行投資の費用支出について、現在は抑制的に進捗しているとのことですが、来期においては通期で計画されている31億円程度が前年比でほぼなくなると考えてよいのでしょうか?
金子:先行投資的支出として、期初予算開示時点で銘打っていた費目については、人件費が多い状況です。例えば、物流の開発や海外事業開発などで、BizDevを行う専門人材の採用が先行費用として発生しています。
この状況は、利益寄与が強くなる一方で、人員自体は引き続き残ると考えています。そのため、CAPEX(資本的支出)のように1期のみでコストが消えるのではなく、やや横ばいで推移する見込みです。なお、水準については、現在も予算の精査を続けています。
質疑応答:来期の人員計画について
質問者:人員増加についてです。これまでの取り組みの中で、過去3四半期ほど人員数がほぼ横ばいだったかと思いますが、モバイルゲームのローンチや組織構造の変化に伴い、来期以降、トップラインの成長に応じて人員、いわゆるヘッドカウントが増加する可能性について、従来のような大幅な増加とはいかないまでも、一定程度増加すると考えるべきでしょうか?
金子:まず、ゲーム開発により人員が急増する可能性については、開発自体は外部企業と共同で運用されていますので、ゲームが巨大化しても、当社で大幅な人員増が必要になることはそれほど多くないと考えています。
一方で、複数のタレントや多数の楽曲を監修し、それらをゲームに紐付ける監修人員などは、一定程度必要になります。そのため、人員数自体はそれほど大規模ではありませんが、多少の増員は必要と見込んでいます。
来期の増員計画については、現在は予算を精査中の段階です。ビジネスモデルとして、売上が増加すればするほど人員が比例的に必要となるわけではない部分が大きいと考えています。
持続的な事業運営の観点では、事業拡大や多面化、お客さまやタレントの体験価値、創作環境の保全が課題となっている部分もあると思われます。そのため、人員を大幅に増やすわけではありませんが、引き続き必要な部分に増やすという考え方になるかと見込んでいます。
全体的には例年よりも抑制的な人員計画を検討しています。
質問者:確認ですが、その点においては限界利益率がきちんと営業利益で表現されやすくなると理解してよろしいですか?
金子:まだ予算編成中で明言が難しい部分もありますが、例えば物流の構造的な改善や、ゲームやカードが盛り上がることで労働生産性指標が跳ね返りやすい収益源のプロダクトミックスの拡大などにより、ご説明しやすくなる可能性はあるかと思います。
関連銘柄
| 銘柄 | 株価 | 前日比 |
|---|---|---|
|
5253
|
1,697.0
(02/26)
|
+102.0
(+6.39%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
新興市場見通し:「JPXスタートアップ急成長100指数」構成銘柄の... 02/21 14:40
-
東証グロ-ス指数は反発、終日堅調推移を維持 02/16 16:54
-
東証グロース市場250指数先物概況:早期利上げ観測後退と短期資金の... 02/16 16:30
-
カバー(5253) 2026年3月期 第3四半期決算説明資料 02/12 15:30
-
カバー、10-12月期(3Q)経常は14%増益 02/12 15:30
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 03:20
-
今日 03:15
-
今日 03:12
-
今日 02:42
