*13:05JST CRGHD Research Memo(5):同社事業概要3
■CRGホールディングス<7041>の事業概要
2. 市場環境
同社事業を取り巻く市場環境は、日本の人口動態の変化を背景に、中長期的に構造的な人手不足が常態化する局面にある。少子高齢化の進行により生産年齢人口は減少基調にあり、労働需給の逼迫を受けて賃金水準も上昇傾向にある。この結果、企業にとって人材の確保は経営上の重要課題となっており、人材サービスへの依存度は今後も高まる構図にある。足元では有効求人倍率や完全失業率の動向から、人材需要は回復傾向にあることが示されているが、こうした循環的な回復局面にとどまらず、中長期的には構造的な人手不足が継続する見通しである。これに伴い、働き方の多様化や業務効率化への要請が強まり、外部環境の変化に柔軟に対応できる人材ビジネスの重要性が増している。
人材ビジネス関連市場においては、コロナ禍により一時的に人材需要が減少したものの、構造的な人手不足という基調に支えられ、その後は堅調に推移していくものと予測されている。人材派遣業は比較的安定した市場環境が見込まれることに加え、人材紹介サービスでは高い成長率を維持するとみられている。職種別有効求人倍率に目を向けると、労働集約型の業界ほどマージン率が低く、収益性の改善が進みにくい傾向が確認される。今後は、こうした労働集約型業界において自動化が進展するとともに、高スキル人材に対する需要が一段と高まることが想定され、人材サービス事業者には付加価値の高い領域への対応力が求められる。
テレマーケティング関連市場については、感染症関連案件が利益率の高い分野として寄与したことで、2020年度以降に市場が急拡大した。しかし、2023年5月に感染症分類が第5類へ移行したことにより、これまで存在していたスポット案件が剥離し、派遣会社に寄せられるコールセンター案件は大きく減少している。これにより、同市場は一時的な拡大局面から平常時の需給環境へと移行しており、今後は安定的な需要を前提とした事業運営が求められる局面に入っているといえる。
また、障がい者雇用関連分野は、人材市場の中でも成長性と社会的意義の双方を併せ持つ領域である。民間企業における障がい者雇用は拡大を続けており、CSRの観点からも注目が集まっている。障害者雇用促進法に基づく法定雇用率は段階的に引き上げられており、2018年4月に2.2%へ引き上げられた後、2021年4月には2.3%となった。さらに2024年4月には2.5%となり、2026年4月には2.7%へと引き上げられる予定である。法定雇用率を下回る企業には不足人数1人当たり月額5万円の納付金が求められるため、障がい者の雇用状況は14年連続で過去最高を更新しており、関連サービスへの需要も着実に拡大している。
こうした環境を受け、人材大手各社はグループ会社を通じて障がい者雇用サービスを展開しており、特例子会社による多様な自立支援の取り組みや、企業向けの人材紹介、コンサルティングなどを提供している。加えて、障がい者就労支援サービスや専用ポータルサイトの運営など、市場規模の拡大に伴い多様なサービスが誕生している。同社を取り巻く市場環境は、このように人手不足という構造的課題を基軸に、分野ごとに異なる成長フェーズが混在しており、環境変化への対応力と事業ポートフォリオの柔軟性が、今後の競争力を左右すると弊社では見ている。
同社グループの総合力と豊富な実績を基に顧客の人材面の課題を解決。「ユニット型派遣」を特徴とし、クライアントとの強固な関係構築に寄与
3. 強み
同社グループ最大の強みは、総合人材会社としての幅広いサービスと、グループ各社の機能を束ねた総合力にある。グループ全体で蓄積した知見とリソースを生かし、人材分野に多様な課題を抱える顧客企業に対して、複合的かつ一貫性のあるソリューションを提供できる点が競争優位の源泉となっている。
派遣事業においては20年以上の運営実績を持ち、長年蓄積されたノウハウを生かして人材課題の解決や企業の業務効率化を支援してきた。この実績が、全国数十万人規模におよぶ登録スタッフを背景としたスピーディーな人材手配につながり、需要が急速に変動する人材市場において迅速な対応を可能としている。また、派遣スタッフ向けの定期的な面談と顧客企業への継続的なフォローアップを行うことで、スタッフの継続率を高めるだけでなく、顧客との安定的な取引関係を構築している点も同社の運営品質の高さを示すものである。
さらに、同社はHRテック領域においても強みを発揮している。採用活動の効率化や業務改善に関する長年のノウハウをITに融合させ、SaaS型の採用業務効率化・改善サービスとして提供していることは、人材サービス企業の中では相対的に高い技術志向を示している。採用の効率性向上は企業にとって喫緊の課題であり、この領域での競争力は将来的な収益機会の拡大をもたらす可能性がある。加えて、総合人材会社として培った知見を生かし、課題解決型のM&Aや仲介・投資を推進している点も特筆される。単なる資本参加ではなく、シナジー創出と中長期的な企業価値向上を目的とした投資を志向している点は、グループの成長戦略において合理的である。これらに加えて、人材派遣紹介事業において登録している人材の専門性の高さも強みとして挙げられる。
また、チームで派遣する「ユニット型派遣」という取り組みも特長である。「ユニット型派遣」とは、業務を熟知した同社社員をリーダーとして、派遣スタッフとともにチームで派遣することである。同社社員はスーパーバイザー(管理者)として、派遣スタッフとともに働きながら現場管理や情報収集を行い、クライアント担当者からの要望を集約する役目を担う。クライアントと一体となり事業に取り組むことによりニーズへの迅速かつ的確な対応を可能にしている。派遣スタッフにとっても働きやすい環境を作り出し、エンドユーザーの満足向上にもつながるという成果を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2. 市場環境
同社事業を取り巻く市場環境は、日本の人口動態の変化を背景に、中長期的に構造的な人手不足が常態化する局面にある。少子高齢化の進行により生産年齢人口は減少基調にあり、労働需給の逼迫を受けて賃金水準も上昇傾向にある。この結果、企業にとって人材の確保は経営上の重要課題となっており、人材サービスへの依存度は今後も高まる構図にある。足元では有効求人倍率や完全失業率の動向から、人材需要は回復傾向にあることが示されているが、こうした循環的な回復局面にとどまらず、中長期的には構造的な人手不足が継続する見通しである。これに伴い、働き方の多様化や業務効率化への要請が強まり、外部環境の変化に柔軟に対応できる人材ビジネスの重要性が増している。
人材ビジネス関連市場においては、コロナ禍により一時的に人材需要が減少したものの、構造的な人手不足という基調に支えられ、その後は堅調に推移していくものと予測されている。人材派遣業は比較的安定した市場環境が見込まれることに加え、人材紹介サービスでは高い成長率を維持するとみられている。職種別有効求人倍率に目を向けると、労働集約型の業界ほどマージン率が低く、収益性の改善が進みにくい傾向が確認される。今後は、こうした労働集約型業界において自動化が進展するとともに、高スキル人材に対する需要が一段と高まることが想定され、人材サービス事業者には付加価値の高い領域への対応力が求められる。
テレマーケティング関連市場については、感染症関連案件が利益率の高い分野として寄与したことで、2020年度以降に市場が急拡大した。しかし、2023年5月に感染症分類が第5類へ移行したことにより、これまで存在していたスポット案件が剥離し、派遣会社に寄せられるコールセンター案件は大きく減少している。これにより、同市場は一時的な拡大局面から平常時の需給環境へと移行しており、今後は安定的な需要を前提とした事業運営が求められる局面に入っているといえる。
また、障がい者雇用関連分野は、人材市場の中でも成長性と社会的意義の双方を併せ持つ領域である。民間企業における障がい者雇用は拡大を続けており、CSRの観点からも注目が集まっている。障害者雇用促進法に基づく法定雇用率は段階的に引き上げられており、2018年4月に2.2%へ引き上げられた後、2021年4月には2.3%となった。さらに2024年4月には2.5%となり、2026年4月には2.7%へと引き上げられる予定である。法定雇用率を下回る企業には不足人数1人当たり月額5万円の納付金が求められるため、障がい者の雇用状況は14年連続で過去最高を更新しており、関連サービスへの需要も着実に拡大している。
こうした環境を受け、人材大手各社はグループ会社を通じて障がい者雇用サービスを展開しており、特例子会社による多様な自立支援の取り組みや、企業向けの人材紹介、コンサルティングなどを提供している。加えて、障がい者就労支援サービスや専用ポータルサイトの運営など、市場規模の拡大に伴い多様なサービスが誕生している。同社を取り巻く市場環境は、このように人手不足という構造的課題を基軸に、分野ごとに異なる成長フェーズが混在しており、環境変化への対応力と事業ポートフォリオの柔軟性が、今後の競争力を左右すると弊社では見ている。
同社グループの総合力と豊富な実績を基に顧客の人材面の課題を解決。「ユニット型派遣」を特徴とし、クライアントとの強固な関係構築に寄与
3. 強み
同社グループ最大の強みは、総合人材会社としての幅広いサービスと、グループ各社の機能を束ねた総合力にある。グループ全体で蓄積した知見とリソースを生かし、人材分野に多様な課題を抱える顧客企業に対して、複合的かつ一貫性のあるソリューションを提供できる点が競争優位の源泉となっている。
派遣事業においては20年以上の運営実績を持ち、長年蓄積されたノウハウを生かして人材課題の解決や企業の業務効率化を支援してきた。この実績が、全国数十万人規模におよぶ登録スタッフを背景としたスピーディーな人材手配につながり、需要が急速に変動する人材市場において迅速な対応を可能としている。また、派遣スタッフ向けの定期的な面談と顧客企業への継続的なフォローアップを行うことで、スタッフの継続率を高めるだけでなく、顧客との安定的な取引関係を構築している点も同社の運営品質の高さを示すものである。
さらに、同社はHRテック領域においても強みを発揮している。採用活動の効率化や業務改善に関する長年のノウハウをITに融合させ、SaaS型の採用業務効率化・改善サービスとして提供していることは、人材サービス企業の中では相対的に高い技術志向を示している。採用の効率性向上は企業にとって喫緊の課題であり、この領域での競争力は将来的な収益機会の拡大をもたらす可能性がある。加えて、総合人材会社として培った知見を生かし、課題解決型のM&Aや仲介・投資を推進している点も特筆される。単なる資本参加ではなく、シナジー創出と中長期的な企業価値向上を目的とした投資を志向している点は、グループの成長戦略において合理的である。これらに加えて、人材派遣紹介事業において登録している人材の専門性の高さも強みとして挙げられる。
また、チームで派遣する「ユニット型派遣」という取り組みも特長である。「ユニット型派遣」とは、業務を熟知した同社社員をリーダーとして、派遣スタッフとともにチームで派遣することである。同社社員はスーパーバイザー(管理者)として、派遣スタッフとともに働きながら現場管理や情報収集を行い、クライアント担当者からの要望を集約する役目を担う。クライアントと一体となり事業に取り組むことによりニーズへの迅速かつ的確な対応を可能にしている。派遣スタッフにとっても働きやすい環境を作り出し、エンドユーザーの満足向上にもつながるという成果を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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