1年のトレンドを占う1月相場の行方は? (1) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信元:株探
投稿:2026/01/19 13:30
S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。
●THE S&P 500 MARKET:2025年12月
S&P500指数 の2025年のトータルリターンはプラス17.88%(マグニフィセント・セブンを除くとプラス10.36%)、過去3年間のトータルリターンはプラス86.11%で年率換算するとプラス23.01%(同プラス38.89%、プラス11.57%)
12月のS&P500指数は、11月に見られた銘柄の入れ替えによるもみ合いの展開が続きましたが、資金の流出はほとんどなく(一部は金と銀に流れましたが、原油へは流れませんでした)、国内外の投資家からの力強い資金流入が持続しました。米国の金利が高止まりした一方で、ドルは低水準にとどまりましたが、これらは全くの無関係ではありません。最終的に、S&P500指数は0.05%と小幅に下落して月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス0.06%)。11月は0.13%上昇、その前の10ヵ月間の累計では16.30%上昇しており(7ヵ月で上昇、3ヵ月で下落)、2025年通年では16.39%上昇という十分な結果となりましたが、2023年の24.23%上昇、2024年の23.31%上昇と比べると、2年連続で上昇率が縮小したことになります。過去3年間のトータルリターンはプラス86.11%(年率23.01%)となり、目下差し迫った問題は2026年の市場です。
ボトムアップコンセンサスによると、1年後のS&P500指数の目標株価は8001であり、2026年に16.9%上昇が見込まれています。これが実現すれば4年連続の2桁上昇となり、1995年~1999年に記録した5年連続の2桁上昇(累計で220%上昇)に次ぐ記録となります。指数上昇の内訳を見ると、毎度お馴染みのマグニフィセント・セブンがリターンの多くを占めています。3年間のトータルリターンのうち55%をマグニフィセント・セブンが占めており、プラス86.11%(年率23.01%)のトータルリターンは、これら7銘柄を除くとプラス39%(同11.6%)となり、2025年のトータルリターンはプラス17.88%がプラス10.4%になります。さらに、2026年についても、プラス16.9%(3年連続の上昇率縮小となる見通しです)の予想がプラス9.3%になります。しかも、すでに高い比重を占めている銘柄の比重が一段と高くなることが予想され、エヌビディア
苦労と報酬を測る指数があるわけではありませんが、振り返ってみると、大半の人が利益を得たとはいえ、2025年は決して楽な年ではありませんでした。2026年が楽になると思っているのは、すでに利益を確定して、その利益を安全な投資先に避難させた人だけでしょう。もはやリスクのない投資先など思いつかないため、何が安全な投資先なのかは明記しないでおきます。
S&P500指数は2025年に16.39%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス17.88%)。2024年は23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。値上がり銘柄数は304銘柄(2024年は332銘柄、2023年は332銘柄)、値下がり銘柄数は196銘柄(同169銘柄、179銘柄)となり、値上がり銘柄の割合がやや低下しました。
2025年には11セクターのうち10セクターが上昇し、年間パフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスの32.41%上昇、最低だったのは不動産の0.35%下落でした。2024年は10セクターが上昇(最高はコミュニケーションサービスの38.89%上昇、最低は素材の1.83%下落)、2023年は8セクターが上昇(最高はコミュニケーションサービスの54.36%上昇、最低は公益事業の10.20%下落)でした。2022年は不振の年で、S&P500指数は19.44%下落し、上昇したのはエネルギーの1セクターのみ(59.05%上昇)で、10セクターが下落しました(コミュニケーションサービスは40.42%下落)。また、2022年には139銘柄が上昇し、363銘柄が下落しました。
リスク指標とも言えるVIX恐怖指数は関税問題を受けて一時は急上昇し、4月7日には60.13を付けましたが、12月には年初来の最低値を付け、2024年末の17.35から低下して15.01で年を終えました。
日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は2025年に1.18%となりました(2024年の0.91%や2023年の1.04%から上昇、過去平均は1.40%)。年間の取引ボラティリティは前年比で31%上昇しました。2024年は同2%低下、2023年は同1%低下でした。
S&P500指数の時価総額は2025年に8兆6330億ドル増加して58兆4380億ドルで年を終え、さらに配当として総額6710億ドルが投資家に支払われました。指数全体の時価総額は過去3年間で26兆3050億ドル増加し、配当総額は1兆8880億ドルでした。
12月の相場モメンタムは、セクターによってばらつきはあるものの、11月に見られた「銘柄の入れ替えによるもみ合いから月末にかけて反発」という流れが続きました。S&P500指数は11月まで7ヵ月連続で上昇していましたが(累計で22.98%上昇)、12月は0.05%下落し、4月(0.76%下落)以来の下落となりました(配当込みのトータルリターンではプラス0.06%)。大局的に見ると、もみ合いは相場展開として好ましいものであり、資金が流出しなかっただけでなく、流入によって株価水準は維持されました。銘柄レベルでは、値下がり銘柄数(260銘柄)が増加して値上がり銘柄数(242銘柄)を上回りました。一部銘柄のリターンの比重が高い状況は変わらず、マグニフィセント・セブンが引き続きパフォーマンスを牽引し、S&P500指数の12月のトータルリターン(プラス0.06%)は7銘柄を除くとマイナス0.19%となります。
経済(米連邦準備制度理事会[FRB]による政策金利の変更、雇用、個人消費、企業利益など)や政治(関税交渉、および予想される最高裁判決に対する代替策)の変化に伴って市場の先導役に変化が見られましたが、全体として取引は活発さを欠き、12月の出来高は前月比13%減少(前年同月比では12%増加)しました。2025年の出来高は前年比31%増加しました(2024年の出来高は同2%減)。
12月のパフォーマンスが最高だったのは金融セクターで2.94%上昇しました(1月13日には大手銀行の2025年第4四半期決算発表が始まります)。年間では13.32%上昇(年初の期待値は高く、2025年1月は6.40%上昇しました)、2023年末からの2年間では46.66%上昇となっています。月間のパフォーマンスが最低だったのは公益事業で、価格圧力と供給をめぐる懸念から5.31%下落しましたが、年間では12.69%上昇、2023年末からは35.60%上昇となりました。11月にモメンタムが見られたセクターはヘルスケアで、医療保険制度改革法(ACA、通称オバマケア)に関連する補助金延長への期待感から9.14%上昇していましたが、12月には補助金延長の期待が低下して1.51%と小幅に下落し、年間では12.53%上昇、2023年末からは14.19%上昇となりました(2024年には0.90%上昇)。
2026年第1四半期がスタートした現時点では、個人所得税の還付金が大幅に増加して消費に回され、また法人税控除も持続するとの期待に後押しされ、依然として楽観が優勢です。それどころか、ボトムアップによる目標株価見通しに基づくと、楽観はさらに高まっているとみられます。2桁の利益成長がもう1四半期(あるいはもう1年)続くとの見方も追い風となっているようです。全体的に楽観的な一方で、景気促進・刺激法案が2026年下半期に期限切れになるとの見方も強まっており(金利コスト、雇用削減、消費控えに影響が予想されます)、大半の運用マネジャーは市場の動きを注視しています。
12月のS&P500指数は0.05%と小幅な下落となりました(配当込みのトータルリターンではプラス0.06%)。11月は0.13%上昇(同プラス0.25%)でした。その結果、2025年通年では16.39%上昇(同プラス17.88%)、過去3年間では78.29%上昇(同プラス86.11%)、年率で21.26%上昇(同プラス23.01%)となりました。値下がり銘柄数(260銘柄)が増加して値上がり銘柄数(242銘柄)を上回りました(11月は324銘柄が値上がりし、177銘柄が値下がり、10月は204銘柄が値上がり、298銘柄が値下がり)。12月は、11セクターのうち6セクターが上昇し、パフォーマンスが最高だったのは金融セクターで2.94%上昇しましたが、年間では指数全体を下回る13.32%上昇で終わりました(2023年末からは46.66%上昇)。パフォーマンスが最低だったのは公益事業で、12月に5.31%下落しましたが、年間では12.69%上昇、2023年末からは35.60%上昇となりました。
S&P500指数は2025年に16.39%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス17.88%)。11セクターのうち10セクターが上昇、304銘柄が値上がりし、196銘柄が値下がりしました(2024年は332銘柄が値上がり、169銘柄が値下がり)。2025年通年のパフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスの32.41%上昇(2023年末からは84.64%上昇)、最低だったのは不動産の0.35%下落でした(同2.39%上昇)。
2026年1月は、経済指標の発表が続くものの、43日間に及んだ政府機関閉鎖からの長引く影響、政府効率化省(DOGE)による政府職員の解雇、そして年末商戦があるため、指標の解釈は困難になることが予想されます。月次雇用統計(1月9日発表)、週次新規失業保険申請件数(毎週木曜日に発表)、消費者物価指数(1月13日発表)、卸売物価指数(1月14日発表)、GDP(1月22日発表)などが市場の変動要因となることが予想されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月27-28日に開催されますが、市場は政策金利の変更はないと予想しています(米金利先物が織り込む政策据え置き確率は79%)。3会合連続の0.25%の利下げを経て、現在のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は3.50~3.75%となっています。
引き続き政治関連の話題がニュースとして大きく取り上げられる見通しです。政府機関閉鎖を解消させたつなぎ予算は1月30日にその期限を迎えますが、市場関係者は何らかのディール(あるいは再度のつなぎ予算の成立)によって2026会計年度の最終月となる9月まで政府機関の閉鎖が回避されるだろうと予想しています。どのようなディールであっても、医療保険制度改革法(ACA)による個人向け保険料に対する補助金の2025年末の終了が国民(推定2200万人)に与える影響を無視することはできないでしょう。現時点で、市場は一定の保険加入者に対して新たな補助金制度が創設されると同時に、所得に応じて一部の個人向け給付は段階的に縮小されると予想しています。2025年第4四半期の業績発表は、1月13日の大手金融機関バンク・オブ・ニューヨーク・メロン
市場はまた関税の動向にも注目していますが(必要に応じて取引に反映される)、この問題は現在、最高裁判所の判断待ちです。USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)交渉の進展(おそらく個別に行われる予定)と、米中関税・貿易交渉の最新内容とスケジュールも注視しています。なお取引関連で注意すべき点として、市場と銀行は1月1日(木曜)が祝日で休みとなるため、2026年の取引は1月2日(金曜)から始まります。また、1月19日もキング牧師記念日のため市場と銀行は休みになります。
「1月の相場がその年の相場を決める」という1月に関する格言については、1929年以降71.88%の確率で当てはまり、過去4年も的中しました(2025年も1月が2.70%の上昇で年間のリターンも16.20%と、そのとおりとなりました)。初日の市場がその年の市場を占うかどうかについては、ほとんどコイントスのようなもので、50.5%の確率となっています。2025年の初日は0.22%下落しましたが、年間では16.20%上昇し、この指標は2021~2025年は当てはまりませんでした。
※「1年のトレンドを占う1月相場の行方は? (2)」へ続く
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