前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

配信元:株探
投稿:2025/12/11 05:20

ピクセル <2743>  54円 (+20円、+58.8%)

 ピクセルカンパニーズ <2743> [東証S]が3日続急騰。同社は10日、臨時株主総会を開き、第三者割当による新株発行と第16回新株予約権について、原案通り承認可決されたと発表した。abc <8783> [東証S]などから出資を仰ぐもので、新株に関しては金銭債権の現物出資による方法(デット・エクイティ・スワップ)により割り当てる。債務超過の回避と財務基盤の強化が目的で、有利発行のため株主総会での決議が必要だった。同日午前9時には財務基盤の再構築と中長期的な成長に向けたリバイバルプランも発表。AI対応GPUデータセンター事業を中心に成長戦略を推進する姿勢を示している。一連の発表を手掛かりとした買いが入ったようだ。同社株は東京証券取引所により特別注意銘柄に指定されており、11月27日付で監理銘柄(審査中)にも指定されている。

カルナバイオ <4572>  304円 (+80円、+35.7%) ストップ高

 カルナバイオサイエンス <4572> [東証G]がストップ高。ここ上下に荒い値動きが続いており、今月2日ザラ場に259円の戻り高値を形成後急な調整を入れたが、足もとで再び投資資金の攻勢が顕著となっていた。同社は研究開発型のバイオベンチャーでキナーゼ酵素の生産・販売、受託試験のほか、治療効果が高く副作用に乏しいキナーゼ阻害剤に特化した創薬に取り組んでおり、海外売上高が全体の7割を占めていることも大きな特徴だ。そうしたなか、9日取引終了後、次世代型BTK阻害剤docirbrutinib(AS―1763)のフェーズ1b臨床試験の途中結果、および新たな非臨床研究の結果を第67回アメリカ血液学会(ASH)で発表が行われたことを開示した。フェーズ1b試験では高い安全性と有効性を示し、非臨床研究では既存BTK阻害薬で課題となっている点を克服できる可能性があることが示された。これを材料視する買いが集中した。

アウン <2459>  286円 (+49円、+20.7%)

 アウンコンサルティング <2459> [東証S]が急反騰。低位材料株に動兆が相次ぐなか、同社もこの流れに乗り一気に大底圏離脱の動きをみせていた。SEOコンサルティングを柱とするが、多言語サービスの強みを横軸展開させインバウンドプロモーションで新境地を開拓している。 人工知能(AI)の最適化(AI検索エンジンや生成AIでコンテンツが引用されやすくする戦略)を支援する「AIOコンサルティング」の海外展開を本格始動することを、9日取引終了後に開示した。業務提携先であるAI Hack(東京都港区)のAIO分析ツールの新機能「検索エリア設定機能」を活用し、海外向けサービスの提供を開始しており、これを手掛かり材料に投機性の強い資金が集結する形となった。

ブロメディア <4347>  2,005円 (+306円、+18.0%)

 ブロードメディア <4347> [東証S]が急反騰。英エーブイアイ・ジャパン・オポチュニティ・トラストが9日、ブロメディアに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格は1株2200円で、ブロメディアの株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。買付予定数は上限が設けられ、ブロメディアの上場は維持される見通し。AVIの買い付け予定数の上限は77万5300株(自己株式を除く発行済み株式総数の10.88%)で、下限は設定しない。ブロメディアによると、AVIは9月30日時点でブロメディア株を179万3100株(同25.16%)保有する。ブロメディアは今後、公開買付届出書など関連情報を精査し、見解を公表する予定としている。

アクリート <4395>  1,043円 (+150円、+16.8%) ストップ高

 アクリート <4395> [東証G]がストップ高。同社は9日、合弁契約を締結している米フォワードエッジAIが、米ミサイル防衛局(MDA)の上限1510億ドルの大型契約で、プロジェクトの主導企業(元請け)に選定されたと発表。これが材料視されたようだ。この契約は、「Golden Domeイニシアチブ」(全国防衛ネットワーク構想)の基礎となるもので、極めて重要な国家ミッションの一環。同社ではアクリートとフォワードエッジAIが設立準備を進めている合弁会社「Forward Edge-AI Japan」が国内で総代理店として取り扱う主力製品のひとつ「Isidore Quantum」の技術力の高さを裏付けるもので、今後の国内事業展開への期待を更に高めるものだとしている。

黒田精 <7726>  1,148円 (+150円、+15.0%) ストップ高

 黒田精工 <7726> [東証S]がストップ高。精密加工技術に定評があり直動関連機器など駆動系や精密金型などで需要を獲得。海外売上高が全体の6割を占め、M&A戦略も駆使して業容拡大に取り組んでいる。ただ足もとの業績は低迷しており、26年3月期業績については営業利益段階で従来計画の7億円から1億8000万円に大幅下方修正、前期比で4割強の減益となる見通し。しかし、株価面では長期波動でみた大底圏に位置しており、0.5倍台の低PBRなどが歯止めとなって下値を売り込む動きを封じていた。そうしたなか、東京市場では人工知能(AI)とロボティクス融合による「フィジカルAI」が投資テーマとして浮上、ロボット関連株を順繰りに買い漁るような地合いとなり、同社にも物色の矛先が向いた。同社の直動システムは産業ロボット向けで実績が高く、モーターなどの駆動系でもロボット業界とのつながりが密接であり、物色人気に火がついた。市場では「ここ数年来の業績低迷を受け、ファンド筋の買いポジションの大半が解消されているような状況で、売り圧力が乏しい。また株主にファナック <6954> [東証P]が含まれていることも、フィジカルAIのテーマで思惑を誘った可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。

モイ <5031>  300円 (+39円、+14.9%)

 モイ <5031> [東証G]が続急騰。10日正午ごろ、26年1月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、これを好感した買いが入った。毎年1月末時点で2単元(200株)以上を保有する株主を対象に、保有株数200株以上500株未満でQUOカード1000円分、保有株数500株以上でQUOカード5000円分を贈呈する。

サンバイオ <4592>  1,955円 (+222円、+12.8%)

 サンバイオ <4592> [東証G]が続急騰。同社は9日の取引終了後、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺に対する治療薬「アクーゴ」に関し、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更について承認されたと発表した。7月31日の条件及び期限付き製造販売承認を経て、4つの条件が付されていたが、このうち出荷の制限に関する条件を解除する変更について12月9日に承認された。発表を好感した買いが集まった。サンバイオは今後、薬価収載を経た後に、アクーゴの発売を予定。米国市場では来期から臨床試験に向けた準備を行う。国内では脳梗塞プログラムの臨床試験について、来期に規制当局と協議を開始する予定だとしている。

スパイダー <4192>  321円 (+27円、+9.2%)

 スパイダープラス <4192> [東証G]が急反発。同社は9日取引終了後、自社のデジタル帳票機能をメインとした「S+Report」が、清水建設 <1803> [東証P]の全面的な支援のもと、現場での試行を経て設備試運転帳票に標準対応し、本格的に導入されることになったと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。清水建の名古屋支店での先行プロジェクトでは、残業時間の削減や是正確認業務の効率化など生産性向上につながることが確認され、本格導入に至ったという。スパイダーは今後も清水建をはじめとする各社との強固なパートナーシップを通じた機能改善を続けるとしている。

グリーンエナ <1436>  2,366円 (+196円、+9.0%)

 グリーンエナジー&カンパニー <1436> [東証G]が続急伸。9日の取引終了後に26年4月期の連結業績予想について、売上高を140億円から154億円(前期比32.6%増)へ、営業利益を7億円から7億8000万円(同43.5%増)へ、純利益を3億8000万円から4億2000万円(同52.4%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、フロービジネスである太陽光発電設備が好調に推移していることが要因。また、ネットゼロ・エネルギーハウス(ZEH)事業において、販売が堅調に推移していることも寄与する。なお、同時に発表した10月中間期決算は、系統用蓄電池事業の伸長などにより売上高71億8200万円(前年同期比48.1%増)、営業利益3億400万円(同88.0%増)、純利益1億5100万円(同87.0%増)となった。あわせて、台湾J&V Energy Technologyの系統用蓄電池事業子会社であるRecharge Powerと戦略的業務提携に関する覚書(MOU)を10日付で締結すると発表。更に100%子会社グリーンエナジー・ファシリティーズがGATES(東京都新宿区)と、太陽光発電設備の買い取り及び再販売に関する業務提携契約を締結したと発表しており、これらも好材料視された。

アールプラン <2983>  2,915円 (+233円、+8.7%)

 アールプランナー <2983> [東証G]が急反発。9日の取引終了後に26年1月期の連結業績予想について、売上高を470億円から480億円(前期比19.4%増)へ、営業利益を33億5000万円から36億5000万円(同68.7%増)へ、純利益を21億5000万円から24億円(同67.0%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を40円から50円へ引き上げ年間配当予想を80円(前期実績45円)としたことを好感した買いが流入した。受注の好調を受けて、第3四半期時点で戸建住宅の販売棟数、なかでも分譲住宅の販売棟数が大幅に増加していることに加えて、第3四半期での受注状況や販売状況を織り込んだ。また、コストコントロールにより売上総利益が改善していることも寄与する。同時に発表した第3四半期累計(2-10月)決算は、売上高348億3400万円(前年同期比18.7%増)、営業利益25億7600万円(同68.1%増)、純利益16億4800万円(同77.4%増)だった。注文住宅の好調と販売単価増により、第3四半期累計として過去最高業績を更新した。

神島化 <4026>  1,600円 (+126円、+8.6%)

 神島化学工業 <4026> [東証S]が急反発。10日午後2時30分ごろに発表した10月中間期単独決算で、営業利益が12億1000万円(前年同期比18.8%増)、純利益が8億300万円(同13.7%増)と2ケタ増益となったことが好感された。建材事業で前期に好調だったけい酸カルシウム板「プライケイカル」の減少や、化成品事業でレーザー用や蛍光体の受注減によりセラミックスが減少したことで、売上高は138億2700万円(同0.6%減)と微減収となったが、高付加価値製品である高級軒天ボードの拡販や、工業用途の酸化マグネシウムの伸長、更に価格改定効果やコスト改善などが利益を押し上げた。なお、26年4月期通期業績予想は、売上高281億円(前期比2.5%増)、営業利益22億円(同23.2%増)、純利益15億円(同4.7%増)の従来見通しを据え置いた。

fonfun <2323>  834円 (+63円、+8.2%)

 fonfun <2323> [東証S]が4日ぶり急反発。同社は10日午後2時、連結決算の開始に伴い、新たな業績予想を開示した。26年3月期の業績予想について、売上高は21億100万円(従来は単独で19億800万円)、調整後営業利益(EBITDA)は4億4600万円(同3億7000万円)、最終利益は3億2600万円(同1億9300万円)としている。23年9月に公表した中期経営計画のうち、26年3月期に売上高20億円、EBITDA4億円とする目標を達成できる見込みとなり、好感されたようだ。同社は1日付でマイクロウェーブデジタルを子会社化した。26年3月期第3四半期(10-12月)より連結決算を開始する。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース
配信元: 株探

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