CME通貨先物取引は、2月に入り円ロングの増加が続いています。
<円が買われる原因>
①FRBの追加利上げを、2016年度中に2回までは市場が織り込んでいる可能性が高いこと
②原油安や中国の経済不安(人民元切り下げなど)から、安全資産としての円買いが進んだ
③ところが現状は、原油安や中国経済の後退→米国実体経済の減速→米国利上げ政策に暗雲
その結果として、日米金利差の方向性が変化し始めている可能性がある
④国内機関投資家による外債投資が、昨年のチャイナショック以来減少している
⑤ズバリ、NY株式市場の株安が、対ドル円高に繋がった
⑥購買力平価でみると、1ドル105円が妥当という見方(OECD)がある
http://toyokeizai.net/articles/-/104761
⑦中東や東アジア等の地政学的リスクも、安全資産としての円買いに繋がり易い
⑧ドイツ銀行の経営危機は、現状に於いて何よりも強いリスクオフの原因になり得るため
今後、欧州発の金融不安説が流れる度に、円が買われる可能性は高い
さらに、難民問題でメルケル首相の支持率が低下しており
政治経済の両面で、ドイツ自体がリスクオフの原因になり兼ねないことや
EU残留か脱退かを決める英国の国民投票(6/23)もリスクオフ要因として要注意だと思います。
<2/16現在のCME通貨先物市場に於ける、投機的とみなされる円建て玉推移>

因みに、ドル円相場が110円を割ると、日経平均は15000円割れが予想され
105円では14000円台も怪しくなる可能性があるので
今後の円相場には、くれぐれも注意が必要だと思います。
一方、先週末の日経平均は15967円、EPS1148.71円、PER13.90倍という状況でしたが
同日のCME円建て15820円で計算すると13.77倍になります。
ですから、アノマリーである底値13.50倍は15507円なので
少なくとも今週は維持出来るのではないかと考えています。
但し、G20(26~27日)が終了した来週以降は、再び短期筋が動く可能性があるため
キャッシュポジションを高くして、いざという時に備えて置くのが賢明だと思います。