米国マーケットを振り返る 7月16日

スケアクロウさん
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ポイント

 厳しい下げとなりました。景気の先行きに不透明感が広がったことが背景にあるようです。ただ、意外なのはVIX指数がザラバで下げており、投資家のセンチメントがどんどん悪くなったという印象はありません。来週もさらに下落が進むということではなさそうです。ただし、火曜日の日経平均株価は大幅ギャップ・ダウンでのスタートは避けられそうもありません。

米国マーケットの動向

 ダウ平均株価はスタート直後から、みるみる下げ幅を拡大ました。下げ止まりの兆しを見せることもなく、261.41ドル、2.52%の大幅安で終えています。



 下落の引き金は決算でした(「米国株式市場が急落」)。

 バンクオフ・アメリカ、シティー・グループ、GEなど主要企業の決算は。利益がコンセンサスを上回ったのですが、売上(あるいは営業収益)が見通しよりも弱かったことが投資家に不安を与えたと見られます。

 バンク・オブ・アメリカは9.16%の急落となりました。その他、シティ・グループが6.25%、GEが4.59%下落しています。



 加えて、木曜日の引け後に事前予想を下回る利益を発表したグーグルも6.97%の急落となりました。

 このような決算に対する失望に加えて、ユーロドルが急速にドル高に振れたことも、マーケットを冷やしたと思われます。



 そして、マーケットの下落基調を決定的なものにしたのが、10時前に発表された7月のミシガン大学消費者信頼感指数でした。66.5と予想された74.5を大きく下回り、景気の先行きに対する不透明感が一気に拡がったようです。



 ウォルマートの株価に、6月の消費者物価指数が示唆する消費需要の弱さと、ミシガン大学指数が示す景気不透明感の重石が映し出されています。

 このように、米国株式市場は厳しい展開であったのですが、VIX指数を見ると、投資家は意外に冷静であったようです。指数は4.42%上昇したのですが。ミシガン大学の指数は発表された時点をピークに、むしろ下落基調になっています。



 景気の不透明感は、必ずしも大きな驚きではないということなのだろうと考えています。ただし、おそらく今後は、好決算が材料出尽くしとされ、売りのきっかけになることが予想されます。(この点については「今日のマーケット動向と明日の見通し 7月14日」をご参照ください)

日経平均株価への示唆

 VIX指数の動きから見ると、来週以降の米国マーケットが大きく下げ続ける可能性は大きくないと見ています。

 しかし、CMEの日経先物価格(円ベース)は9,240円となっており、仮に月曜日の米国株式市場が下げ止まったとしても、火曜日の日経平均株価は大きく下げてのスタートとなりそうです。

 

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